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ポリオワクチン、どうする?

2012-04-20

富士市では、春のポリオワクチンの集団接種が始まっています。

さて現在、日本国内で正式に認められているポリオワクチンは、日本ポリオ研究所の経口生ポリオワクチンだけです。

 

ワクチンの効果だけをみれば、不活化ポリオワクチンより生ワクチンの方が効果が高いのですが、生ワクチンでVAPP(経口生ポリオワクチン接種後のポリオ様麻痺:ポリオ関連麻痺)が、希ですが起こることが大きく報道されて、生ワクチンを受けることを躊躇する親御さんも多くなり、ポリオワクチンを受けていない乳幼児も増えています。

 

そのような場合、もし海外から野生ポリオが入って来た場合、ワクチンを受けていない子どもはポリオに罹ってしまいます。
また、生ワクチンを飲んだ子どもから、腸の中で強毒化した(つまり感染力を持ったポリオウイルスに変異した)ポリオウイルスに感染してポリオに罹る危険性もあります。

 

海外から、輸入代行業者を通して不活化ポリオワクチンを個人輸入して、自費での接種を行っている医療機関もありますが、もしも接種後に重大な健康被害が出た場合、その補償がどうなるかが気に掛かります。

 

今の個人輸入のワクチンは、海外では普通に売られている車だからと、外国製自動車を個人輸入し、日本の車検を受けずにナンバー無しで乗っていると同じようなものですから、当然自動車保険にも入れず、事故があっても保険会社の補償が受けられないことになります。

 

個人輸入ワクチンも今は輸入代行業者が補償制度を作っているところもあるようですが、国の法律による予防接種による健康被害救済や、製薬メーカーが出資している薬害の補償制度とは、おそらく較べるべくも無い薄い補償なのではないかと危惧されます。

 

また、定期接種ワクチンでの健康被害の場合、健康被害補償についての裁判になり、国に補償を求めた場合、過去の事例では、国がワクチンと健康被害が無関係(他の原因が明らか)だという証明が出来なければ、原告(ワクチンを受けた側)が勝訴出来ましたが、個人輸入ワクチンでの裁判の場合、それとは逆に、原告側がワクチンと健康被害の因果関係を証明出来なければ、勝つことは出来ないと思われます。

 

みなさんが考えているよりも、ポリオにかかる可能性は大きいと考えています。以上の事を参考に、生、不活化のどちらでもよいですから、必ずワクチンは適切な時期に接種していただきたいと考えています。

 

 

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