インフォメーション

院長講座「今年度のインフルエンザワクチン接種について」

2021年08月26日

今年の初夏のR Sウイルス感染症の爆発的流行は記憶に新しいとおもいます。
これは、昨年のR Sウイルスの季節的流行がなく、基礎免疫を追っていないこどもが多いことが原因と考えられています。また、「ウイルス干渉」という言葉をご存知でしょうか。ウイルス干渉とは、あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないというものです。ウイルス同士で縄張り争いをしている状況です。メカニズムとしては、あるウイルスに感染するとそれに対する免疫応答が起こり、他のウイルスに感染しづらくなる、とされています。これが、集団レベルで起こることで成立します。具体例として、毎年、RSウイルスの流行が起こり、収束すると次に、インフルエンザが流行します。ウイルス干渉が起きて、同時流行とはならない1例です。昨年は、R Sウイルスもインフルエンザも、流行がありませんでした。新型コロナウイルスとのウイルス干渉が会ったことが原因と推定されています。

しかし、今年は、初夏にR Sウイルスの爆発的流行が起こりました。それが収束して、新型コロナウイルスの第5波となりました。昨年はインフルエンザの流行がなく、インフルエンザの基礎免疫を持つ人が少なくなっています。今年のR Sウイルスの爆発的流行と同じように新型コロナウイルスのウイルス干渉が収まるとインフルエンザの爆発的流行が起こることが懸念されることになります。
ただ、R Sウイルスとインフルエンザが違うのは、インフルエンザにはワクチンがあります。
昨年、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行を懸念して、みなさん、インフルエンザワクチンを打ちました。結局、ウイルス干渉のためか同時流行は起こりませんでした。

過剰な心配と、今年はインフルエンザワクチンの接種を、やめようと思っている方も、いらっしゃるかもしれません。でもインフルエンザの基礎免疫の少ない今年こそ、インフルエンザをワクチンで、防ぎましょう。

こどものクリニック中山医院 院長

栄養士講座「夏バテ予防には食事のバランスが大事です」

2021年07月27日

気温が上がって暑さ到来です。
夏バテは、主に暑さによる食欲不振が原因です。
必要な栄養素を摂取することができずに疲れやすくなってしまいます。のどごしが良いめん類や、清涼飲料水など炭水化物にばかり偏ると、おかずが不足してビタミン不足になります。特に水溶性のビタミンB群やビタミンC、ミネラル(ナトリウムやカリウムなど)は汗や尿とともに失われやすく、不足しがちです。食欲がなくても、少量でも、バランスの良い食事を摂ることがとても大切ですね。

 炭水化物とたんぱく質、どちらも少ないと夏バテしやすくなります。炭水化物はエネルギー源に、たんぱく質は値や筋肉など体をつくります。ビタミン・ミネラルも摂れるように考えてみましょう。ビタミンB群は、肉・魚介類・大豆類、玄米など様々な食品に含まれています。

 また、夏野菜は水分やカリウムが多く含まれ、体を冷やす効果があります。旬の食材は栄養価も高いのでおすすめです。ビタミンを十分に摂ると、皮ふの健康が保たれ、粘膜を保護する成分もありますので、日焼け対策になります。
夏こそバランスの良い食事を心がけましょう。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

院長講座「虫刺され」

 虫刺されとは、吸血性の蚊、ブヨ、ダニ、ノミや、身体に毒を持ったハチ、毛虫、ムカデ、クモなどに刺されて起きる皮膚炎のことで、医学的には「虫刺症(ちゅうししょう)」といいます。
虫の毒液や、虫の唾液成分などが皮膚の中に入って、皮膚に炎症が起き、痛みやかゆみ、赤みや腫れ、ブツブツ、水ぶくれなどの症状が出ます。
 まず、何かに刺されたら、患部をこすらず冷水で洗い、よく冷やします。毛虫に刺された時は、
こすると肌に残った毒毛を広げてしまうことがあるので、粘着テープなどで毒毛を取り除いてから、石鹸とシャワーで洗い流しましょう。
 軽症であれば市販のかゆみ止め外用薬でもよいですが、3日ほど使用してよくなってこない場合や赤みやかゆみが強い場合は、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬やステロイドの内服薬が、必要になるので、医療機関を受診してください。特に、ブユや毛虫、ムカデやハチなどによる虫刺されは、
かゆみが強く、症状が長引きます。掻き壊してしまうと、細菌による二次感染(とびひ)の原因になったり、痕が残ったりすることがあるので、掻き壊す前に充分な強さのステロイド外用剤を使って、
しっかり炎症を抑えるのが、早くきれいに治すための近道です。
 ただ、これらの治療はあくまで現在の皮膚症状を抑えるのが目的であり、原因虫からの回避、
あるいはその駆除対策を実施しなければ新たな虫さされが起こります。イエダニの場合はその宿主であるネズミの駆除が必要です。蚊やブユなどの吸血性の節足動物に対する予防対策として、野外活動の際には肌を露出しないことが重要です。また、携帯用蚊取りや、防虫スプレ-などの忌避剤を用いることで、ある程度の防除は可能です。なお、虫除け剤(忌避剤)の代表であるディートには、
小児に対する使用上の注意として、顔には使用しないこと、生後6ヶ月未満の乳児には使用しないこと、2歳未満の幼児では1日1回、2歳以上12歳未満の小児では1日1~3回の使用にとどめることなどがありますので、必要に応じて適切に使ってください。

こどものクリニック中山医院 院長

栄養士講座「熱中症の予防をしましょう」

2021年06月29日

梅雨のじめじめした日が続いています。

気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日には熱中症の危険度が増すことを知っていますか。

もともと、熱中症を引き起こす条件には気温や湿度が高いこと、急に暑くなった、激しい運動をする、不適切な水分補給(脱水)などがあり、乳幼児や高齢者、肥満者に起きやすいとされています。最近、WBGTという暑さ指数を耳にすることが増えてきました。これは気温と相対湿度の関係をみて、注意~危険までの段階を示すものです。

例えば、気温26度・湿度90%の日と、気温35度・湿度35%の日ではどちらもWBGTは厳重警戒ということになり、熱中症の危険度は同じくらい高くなります。

体内の水分量が少なくなると、微熱、口渇感、尿や発汗の減少などが症状として現れ脱水状態となります。忘れずに水分補給をこまめにすることが大事です。

 

元気な時には水や麦茶で構いません。経口補水液は、予防に使用するのではなく病症者用です。

症状のない時には常用しないようにして、医師や看護師、管理栄養士などの指示のもとに飲むようにします。脱水・熱中症が疑われるときには早めに医療機関を受診しましょう。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

院長講座「日焼け」

日焼けは紫外線によるやけどです。重症化すると、赤く腫れたり、水疱ができてひどく痛んだり

します。日焼けの面積によっては、熱が出たり、脱水症状を起こしてぐったりすることもあります。

小さな子どもは体表面積が小さいので、腕1本分の日焼けでも重症と見なされます。

たかが日焼けと油断してはいけません。強い紫外線に長時間さらされると皮膚の中までダメージが

進みます。広い範囲で赤くなったり、水疱ができたりします。水疱が破れると、細菌感染してあとが残ることもあります。早めに小児科や皮膚科を受診するようにしましょう。

また、ひどい日焼けをすると脱水症状を起こして、発熱、ぐったりするなどの全身の症状が現れる

ことがあります。

水分補給して涼しい場所で休ませても症状がよくならない場合は、急いで受診しましょう。

 

予防策として

●紫外線が強い季節に外出するときは、紫外線が少ない時間帯(10~15時以外)にする

●外出時は通気性のいい薄手の長袖・長ズボン、帽子をかぶらせる

●ベビーカーのほろを降ろす、日傘をさす

●日陰や屋根のある場所で、短時間過ごすだけにとどめる

●乳幼児用の日焼け止めを塗る

・赤ちゃん用であること   ・SPFは15〜20程度、PAは++程度

・お湯や石鹸で落とせるもの ・口に入っても大丈夫な成分でできていること

・紫外線吸着剤が不使用のもの

 

日焼け後のケアとして

●冷たいタオルなどで患部を冷やします。冷えピタは、局所の熱を吸収するだけです。

必ず、皮膚に冷気をあたえてください。

●お湯につかると、日焼けした部分が痛むので、ぬるめの温度に設定したシャワーで洗い流します。

肌を刺激しないように水圧も弱くしましょう。

●日焼けした部分は乾燥しています。

(保湿ローションを塗らないとカサカサになってかゆみが出たり、

炎症がひどくなることがあります。)

 

医療機関へ受診の目安

●赤くなっている面積が広い ● 水疱ができている ● 皮膚がむけた

●特にぐったりして熱がある、脱水症状を起こしている場合は速やかな受診が必要です。

 

こどものクリニック中山医院 院長

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