インフォメーション

栄養士講座「日本の食文化」

2022年01月13日

毎日寒い日が続いていますが体調を崩していませんか。
1月は元旦にはじまり、日本の伝統行事がいくつかありますね。
日本ならではの食文化をあなたは知っていますか。お正月に食べるおせち料理にはそれぞれ由来があります。例えば数の子は卵がたくさんあるので子孫繁栄に、黒豆はまめで健康に暮らせますようにという意味が、海老には腰が曲がるまで長生きするように長寿の願いが込められています。お雑煮も地方によって味や食材が様々です。餅も丸餅、角餅、汁もしょうゆのすまし仕立て、みそ仕立てのほか、入れる具も鶏肉だったり魚だったりします。7日には七草がゆを食べて、お正月で食べ過ぎた体を、休める意味があります。11日は鏡開きです。お正月に、飾った鏡餅を開いて(切る、割るという意味です)お汁粉やお雑煮にして食べます。15日ごろには小正月といって、地域によっては、繭玉を飾ったり、どんど焼きをしたりしますね。このように色々な行事がありますので、食文化に触れ、お子さんと一緒に体験することも、食育のひとつです。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

院長講座「子宮頸がんワクチン」

2021年11月30日

子宮頸がんは子宮の入口(頸部)にできるがんで、日本では毎年1万人が子宮頸がんにかかり、約3千人が亡くなっており、近年は若い世代で多くなっておりピークは30代です。

20代、30代の女性で子宮頸がんのために妊娠できなくなる女性が毎年1200人います。なぜなら子宮頸がんは初期でも治療は広範囲に子宮を摘出することになるからです。それゆえ、子宮頸がんはマザーキラーと呼ばれています。この妊娠・出産・子育ての時期に罹患してしまう子宮頸がんの殆どは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因と言われており、特に2つのタイプ(HPV16型と18型)によるものが子宮頸がん全体の50~70%を占めており、そのHPV感染を予防するワクチンが子宮頸がんワクチンです。子宮頸がんワクチンでのHPV感染予防と、20歳以降の定期的な子宮がん検診受診とで子宮頸がんはかなり予防でき、子宮摘出もかなり予防できます。

子宮頸がんワクチンは、2013年に定期接種となりましたが、その後副作用の可能性がマスコミで大々的に報道され『積極的勧奨の中止』となっています。当時、子宮頸がんワクチンの副作用で、歩けなくなった・計算ができない・痙攣するなどの症状を訴える、車いすの少女たちの、衝撃的な映像が、連日マスコミにより報道されました。しかしその後、厚生労働省の調査の結果、マスコミで報道されたような、多様な症状の原因が、子宮頸がんワクチンであるという、科学的証拠がなく、子宮頸がんワクチンとの関連は否定されています。子宮頸がんワクチンを打ってない人たちにも、同程度に、急に歩けなくなった等の様々な症状を訴える症例があることが、名古屋市の調査でも報告されています。

世界を見渡せば2007 年に世界で最初に、子宮頸がんワクチン公費助成プログラムを導入したオーストラリアをはじめ、先進国を中心に、接種費用を公費で助成する国は、70か国以上にのぼっています。WHO(世界保健機構)をはじめとする、世界の主要な国際機関や政府機関は、子宮頸がん予防ワクチンに関し提供されている、あらゆる安全性情報を検証した上で、引き続き接種を推奨しています。

実際に子宮頸がんワクチンを導入した国(オーストラリアやアメリカ、イギリス等)では、すでに子宮頸部の前がん病変の減少が認められていますし、フィンランド、デンマークからは、実際のがんの減少が、オーストラリアでは、接種を受けていない集団でのがんの減少(集団免疫)も確認されています。

ただ我が国では当初子宮頸がんワクチンの接種率は、70%以上でしたが、『積極的勧奨の中止』によりその存在すら認識されなくなり、現在は接種率1%未満となっています。そして子宮頸がんワクチンを受けなかった世代が子宮頸がんを発症する年代となり、われわれは、今後の子宮頸がんの増加に危機感を感じています。最近は自治体によっては、独自に定期接種であることを周知するなどの動きも出てきてはいます。

『積極的勧奨の中止』はまだ現存していますが、子宮頸がんワクチンは2013年4月1日以降ずっと定期接種ではあり、現在も定期接種として受けることができます。子宮頸がんワクチンは、性交渉を経験する前の10歳代前半に接種をすることが推奨されており、定期接種は小学6年生~高校1年生の間に3回接種するスケジュールで、標準的には中学生~高校1年生での接種です。初回接種後6か月後に3回目の接種になるので、遅くとも高校1年生の9月までに開始しないと定期接種での接種から外れてしまいます。定期接種を外れてしまうと任意接種(有料)となり、1回16000円x3回=48000円の費用がかかります。また、副反応が起きた際の対応も、定期接種法ではなく医薬品医療機器総合機構法対応となってしまいます。

最近、厚労省はこの『積極的勧奨の中止』の撤回の議論を始め、来年4月を目処に再開を決めました。しかし、今はまだ、『積極的勧奨の中止』のため市や区から問診票は送付されてこないと思いますので、対象の女児には、定期接種で受ける権利があることをお伝えしたいと思います。

こどものクリニック中山医院 院長

栄養士講座「カルシウムと骨について」

気温が下がり冬到来ですね。

成長期のこどもは、大人に比べて骨の成長が活発であることを知っていますか。骨量が増加するこの時期に、骨を丈夫にしておくことは、将来の骨粗しょう症予防にとても大切です。丈夫な骨を作るためにバランスの良い食事と運動は必要です。特に、カルシウムはしっかり摂りたい栄養素で、骨や歯を作るだけでなく、筋肉の収縮や神経を安定させる働きがあります。

カルシウムを効率よく摂取するには、ポイントがあります。

まず、カルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品、大豆製品、小魚、小松菜などの野菜類に多く含まれますが、吸収率に違いがあります。牛乳・乳製品は1番吸収率が良く、含有量も多めなので利用しやすいといえます。(吸収率は乳製品>大豆・小魚>野菜の順)

次にビタミンDを一緒に摂ること、腸での吸収を助けてくれる働きがあります。ビタミンDは日光を浴びることにより、体内で生成することができますが、魚(青魚や、鮭など)きのこ(乾燥しいたけ、まいたけなど)にも多く含まれますので、取り入れるようにしましょう。

もっと詳しく知りたいという方は、栄養相談をご利用くださいね。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

院長講座「乾燥する季節のスキンケア」

2021年10月29日

乾燥期の冬は、肌の水分量不足と空気乾燥などにより、皮膚中の水分が出ていく一方なので、水分を保持しにくくなり、うるおい不足に陥ります。そして外的刺激から守る肌のバリア機能も低下しがちです。とくに子供の場合、皮膚は大人よりも薄く、皮脂の分泌も少ないので、大人の肌と比べて水分を体内にとどめる働きが未熟なので、どうしても乾燥肌になりやすいのです。ちょっとした刺激に敏感に反応し、炎症や痒みといった肌トラブルにつながることもあります。肌が乾燥した状態が続くと、外的刺激に弱くなり、ちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。

子供の肌を乾燥から守るには、肌乾燥を予防すると共に効果的な保湿が必要です。具体的には軟膏や保湿クリーム、ベビーローションなどの保湿剤を使うのがおすすめです。お肌のコンディションと合わせて、丁寧に保湿ケアを行うことで、皮膚中にたっぷりの水分が、備わります。うるおいを逃がさないためのフタをする効果もあります。一般的に、保湿を行うタイミングは、お風呂上がりが最適です。お風呂といえば、お風呂の温度も注意が必要です。冬場は気温が低いのでお風呂の温度を高めに設定するご家庭も多いと思いますが、熱いお湯に長時間浸かると、皮膚の保湿成分(セラミド)が流出します。大人の皮膚の表皮は0.02mmですが、子供はその半分以下の薄さです。そのため、大人と同じように入浴させると、乾燥肌が悪化する場合があります。お湯の温度設定は38度~40度のぬるめで、5~10分程度浸かるのを、目安にするのがいいでしょう。またスポンジやナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは肌に負担をかけて、乾燥を招きます。石けんをたっぷりと泡立てて、素手で優しく洗ってあげましょう。

また、空気乾燥は乾燥肌を招く原因になるので、加湿器などで室内の湿度を適度に保つことにより、健やかな肌状態をキープできます。室内での快適な湿度は40~60%といわれていますが、50%を目安に湿度を調整するだけでも、肌の水分の蒸散が防げて、肌乾燥が和らぎます。加湿は、風邪や

インフルエンザ、新型コロナなど気道感染症にも有効です。

保湿は外側からのスキンケアだけでなく、こまめな水分補給で内側からケアすることも大切です。

冬場は、水分補給が少なくなりがちです。注意しましょう。

 

最後に、子供は痒みを我慢できずに掻いてしまうことがあるので、肌を掻いても傷がつかないように、日頃から爪を短く切っておくのも効果的な予防法です。

冬の乾燥から子供の肌を守るための基本は、「清潔を心がける」「乾燥を招く要因を減らす」「保湿

ケア」の3つです。

乾燥が気になる場合、保湿剤を塗る回数を増やしても大丈夫ですが、痒みや炎症が強くホームケアでは改善しづらい場合は、医療機関を受診しましょう。

こどものクリニック中山医院 院長

栄養士講座「炭水化物(糖質)は適量摂取が大事です」

日々秋めいて紅葉が待ち遠しい季節です。

さて、皆さんは炭水化物と糖質の違いを知っていますか。いわゆる糖質とは、消化・吸収にすぐれていて利用しやすいエネルギー源になるものです。食物繊維は、エネルギー源になりにくいですが、さまざまな生理機能があります。この糖質と食物繊維をあわせて、炭水化物と考えます。

最近では、糖質オフなど、炭水化物自体を減らすダイエット法などが注目されていますが、そもそもヒトが活動するエネルギー源として、炭水化物は欠かせません。

1日に摂取するエネルギー量のうち、50~65%エネルギー比が必要とされています。例えば、1日に2000Kcal摂取なら、そのうちの1000~1300Kcalは炭水化物から摂取することになります。

もちろん糖質を摂りすぎると、エネルギー過多や体内で脂肪に変わって蓄積されます。

減らし過ぎても、エネルギー不足、栄養素のバランスの崩れが起こりやすいなどがあげられます。

糖質は自分にあった適量を知って摂取することが大切といえます。

 

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

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