インフォメーション

ロタウイルスワクチン

接種に関して

ロタウイルスワクチンの接種方法

経口接種と言って、口からワクチンを入れます。生ワクチンと言って、ウイルスの毒性を減らしたワクチンです。
ロタウイルスワクチンは下記の2つがあり、現在、使用できるのはロタリックスだけですが、ロタレックスも承認はされており、発売待ちです。

・ロタリックス(グラクソスミスクライン)
・ロタテック(MSD)

上記はそれぞれの特徴、接種時期が異なります。

ロタリックス

ヒトの1種類のロタウイルスを弱毒にした生ワクチン

  • 接種回数:2回
  • 接種時期:生後2カ月以降で6ヶ月までに1ヶ月の間隔をあけて
  • 量:1.5ml
  • 経口接種
  • 効果:重症のロタウイルスによる下痢に対する効果:71.7~92.4%、ロタウイルスによる入院を防ぐ効果:69.6~93.5%
ロタテック

ウシの5種類のロタウイルスでヒトには弱毒になっている生ワクチン

  • 接種回数:3回
  • 接種時期:生後2カ月と4カ月と6カ月
  • 量:2ml
  • 経口接種
  • 重症のロタウイルスによる下痢に対する効果:88.3~100%
    ロタウイルスによる入院を防ぐ効果:90.5~98.2%
ロタウイルスワクチンの値段

当院では、ロタリックスが1回14,000円、ロタテックが1回9,500円です。
決して安くないワクチンですが、ロタウイルスになり、入院になってしまった時の損失(看護のための休業、入院費用)、医療費などがかかる方がワクチンより高くなってしまうので、米国では既に定期接種になっています。

ロタウイルスワクチンの副作用

気になる副作用ですが、重篤なものはありません。
ロタリックスでは、咳や鼻水が3.35%、発熱が1.38%、刺激に対して敏感になるのが7.28%、下痢が3.54%、嘔吐が1.57%でした。

腸重積を起こすのはではないかと言われていましたが、生後60日以内に初回のワクチンを接種した乳児では腸重積は起こらなかったという報告(Simonsenら報告)があり、生後3カ月までは腸重積は起こりにくいと考えられています。生後6カ月以上になると腸重積になる可能性があるのですが、ロタウイルスワクチンをしなくてもある頻度で腸重積は発生し、ロタウイルスワクチンで頻度が増えないという報告もあります。

しかし、現時点では、安全をとって、生後6カ月までにワクチンを終了することが望まれています。ロタリックスの国内治験の結果では、腸重積の報告はありません(2011年9月)。

ロタウイルス感染症はおそらく水ぼうそうやおたふくかぜよりも入院数が多い

ロタウイルス感染症はおそらく水ぼうそうやおたふくかぜよりも入院数が多く(毎年8万人)脳炎による後遺症例が多いこと(毎年20人~40人)などを考えるとワクチンの定期予防接種化を優先的に考えるべき疾患と考えます。
しかも、腸重積が十数名ほど接種直後に増加するかもしれないことと、接種費用が高いこと以外にはほとんどデメリットの少ない(あるいはない)ワクチンです。
そして、そのデメリットも接種後2か月以降の腸重積を逆にロタの予防により二次的に大きく減少させる可能性が高く、年間の腸重積発症率を3割以下に減少させたという報告もあるほどです。
接種費用も一見高く見えるのですが、通院や入院を8割以上減少させるため逆におつりが返ってくるほどの経済効果が得られることも専門家の計算によりわかっています。
定期接種化すればワクチン代を税金で支払っても推定数百億円単位の税金の節約(乳児医療は税金から支払われますが、入院の激減によりこれを大きく節約します)が可能です。
民主党が事業仕分けで必死に節約をしなくてもほぼ同等に近いお金が毎年(!)簡単に節約できます。
また、ご家族の治療費以外の出費も専門家の計算では推定で通院時に3万円、入院時は十数万円かかっており、これを節約できます。
(おむつ代、嘔吐に伴う布団やじゅうたんなどに対する損失、通院の交通費、家族の休業に伴う損失、親戚、友人を呼んで助けてもらう際の出費、治癒後の親戚や職場の方への負担をかけたことに対するお礼、家族が感染することによる通院治療費など)ワクチンのメリットは接種者だけでなく、他の方へも及びます。
他の国では、小児のロタ感染症の激減に伴い、成人のロタ感染症が減少しています。その通院や入院の医療費も節約できます。(我々の税金が節約できます。)
そして、最も重要なことは子どもたちの嘔吐や下痢を7~8割以上軽症化し、苦痛を軽減させます。

よくある質問

どんな病気を予防するの?

高熱と2~3日続く嘔吐、10日以上続く下痢を症状とする胃腸炎です。 ウイルスを退治する特効薬がなく、脱水を防ぐしか治療方法はありません。 下痢が頻回で嘔吐も繰り返すツライ症状で、40人に1人は重症化します。 世界では、下痢症による5歳未満の小児の死亡の17%を占め、その約4割がロタウイルスによるものです。 症状が長期に渡り、おそらく入院する児は、みずぼうそうやおたふくよりも多いです。

どんなワクチンなの?

ロタウイルスの重症化を防ぐワクチンで、WHOも推奨しています。 ロタウイルスワクチンが認可されている国は既に100 カ国以上になり、アメリカ合衆国、ベルギー、ルクセンブルグ、オーストリア、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ、ニカラグア、エルサルバドル、パナマ、エクアドル、オーストラリアの12 カ国では、すでに乳幼児の定期予防接種になっています。