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最強の手洗い法は6ステップ、

2016-04-24

風邪や感染症の予防には手洗いが大事ですが、実際の洗い方にはいろんなバリエーションがあり、WHO(世界保健機関)と米国CDC(疾病予防管理センター)では、それぞれ違う方法を勧めています。でも新たな研究によると、WHOが勧める6ステップの方法のほうが、CDCの方法より効果があるようです。

グラスゴー・カレドニアン大学のJacqui Reilly氏率いる研究チームは、WHOの6ステップ法とCDCの3ステップ法を比較し、前者に軍配を上げました。彼らは短期治療用病院の医師42人、看護師78人に協力してもらい、彼らがアルコールベースの溶剤で手を洗ったときの細菌の減り方を分析しました。被験者は60人ずつに分かれ、それぞれがCDCとWHOどちらかの勧める手洗い法を実践しました。

その結果、WHOが勧める6ステップのほうが細菌の数を減らす効果が高いことがわかったんです。WHOの方法で手を洗った人は、手に付いた細菌の数が1ミリリットルあたり3.28CFU(コロニー形成単位)から2.5CFUに減っていましたが、CDCの方法では3.08CFUから2.88CFUという小さな変化だけでした。実際6ステップとはどんなものかというと…。

 

1. 手のひらをこすり合わせる。
2. 右手のひらで左手の背を、左手のひらで右手の背をこする。
3. 両手のひらを合わせ、両手の指を組んで指の間を洗う。
4. 両手を組み合って、指先を反対の手のひらでこする。
5. 右親指を左手で握ってクルクルと洗い、反対の手も同様にする。
6. 右手の指先を左手のひらの上でクルクル動かして洗い、反対の手も同様にする。

 

これだけしつこく洗うんだから、効果も高いということでしょうか。ただ6ステップだと手を洗うのに42.5秒もかかってしまい、3ステップより7.5秒長くなっていました。それに残念ながら、被験者にはWHOとCDCそれぞれなりの「正しい」手洗い法を見せていたにもかかわらず、それをきちんと実践していたのは参加者の65%だけでした。

ともあれ、3ステップより6ステップの方が効果的ということで、論文では「今3ステップを実践している施設でも6ステップの導入を考慮すべき」としています。この論文はInfection Control & Hospital Epidemiologyに掲載されています。

この実験は病院で行なわれたんですが、普段の生活でも、人混みから帰ってきたときとかにはこういう洗い方をしたほうがよさそうですね。ただ米Gizmodoのコメント欄では「そもそも男はトイレに行ったって手なんか洗わないよね」という話で盛り上がっていて、「どういう洗い方がいいか」という以前の話のようです。日本ではどうなんでしょうか?

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