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小児のインフルワクチン接種、1回より2回の方が有効率高い

2020-05-29

幼児のインフルエンザワクチン接種では、1回接種と2回接種でできる抗体に差はあるものの1回接種で獲得する抗体で予防可能という話もあります。しかし、これまで実際に予防効果に差があるかの検討に関する論文がありませんでしたので、当院でのインフルエンザ予防接種は2回接種を行なってきました。

今回、JAMA pediatricds という論文雑誌の5月4日号に実際の予防効果の検討のされた論文が掲載されました。

2014-15年から2017-18年までのインフルエンザ流行期(4シーズン)に、咳嗽を伴う急性呼吸器疾患のため米国インフルエンザワクチン有効性ネットワーク5施設の外来を受診した生後6カ月から8歳までの小児計7533例を対象に、インフルエンザワクチン接種状況(非接種、1回接種、推奨の2回接種)でのワクチン有効率が検討されました。

3912例(52%)が非接種、2924例(39%)が2回接種、697例(9%)が1回接種でした。実際に予防できた割合は、2回接種51%、1回接種41%でした。低めの予防効果の結果は、対象の65%が5歳未満の児だったことが考えられました。(低年齢ほど予防効果が下がります。)ワクチン接種歴のない生後6カ月から2歳の小児1519例の予防効果は、2回接種が53%、1回接種が23%でより差が見られました。

インフルエンザワクチン接種は、1回接種に比べると2回接種の小児はインフルエンザ陽性になる確率が低いことがわかり、当院では引き続き小児のインフルエンザワクチンは2回接種を続けていきたいと思っています。

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