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この2年でおたふくかぜが原因の難聴が336名

2017年09月09日

日本耳鼻咽喉科学会の全国5565施設を対象とした初の本格的な調査で、おたふくかぜが流行した2015年1月から2016年12月までの2年間に、少なくとも336人が「おたふくが原因の難聴」と診断されていたとのデータを発表しました。同調査の回答率は64%とのことで、実際のおたふくかぜが原因の難聴患者はもっと多いと考えられます。

このうち約80%(260人)に、会話が困難など、日常生活にかなりの支障を来す「高度以上の難聴」の後遺症が見られ、発症年齢は2〜3歳が最も多く、次いで6〜13歳、20歳代後半から40歳くらいまでの「子育て世代」の成人が多くみられたのもこの調査の特徴的でした。家庭内で子供がおたふくかぜに罹患し、予防接種歴や罹患歴のない親が感染している可能性が考えられました。

おたふくかぜによる難聴は、治療ができないため、難聴になってしまうと、人工内耳をいれても回復しません。

おたふくかぜが原因の難聴は、おたふくワクチンで防ぎ得る合併症です。日本を除く先進国では、小児への2回の定期接種が導入されていて、この治らない難聴をなくしています。日本は唯一、先進国の中で定期接種になっていません。任意接種の接種率は、30〜40%です。

健康な母乳栄養児の感染予防にプロバイオティクスは必要なかった。

2017年08月24日

先日読んだ論文ですが、デンマークの保育所に通う乳児290人を対象に乳酸菌を毎日与えるグループと与えないグループに分けて、保育所欠席日数、疾患症状、医療機関受診に関して差をみる研究がありました。この結果は、乳酸菌を与えるグループと与えないグループに差はなかったとなりました。

ようするに、乳酸菌を毎日補給しても感染予防にはならないということです。

しかし、成人では、同様の研究で感染予防となるといった報告があります。

どうして乳児と成人に差があるのかを検討したところ、対象の乳児のほとんどが、母乳栄養児とのことです。

母乳栄養児はもともと腸内に乳酸菌が多く、その多い状態では、それ以上補充しても意味がないということです。

母乳偉大です。

短冊 奉納してきました。

2017年08月19日

七夕の短冊書き ありがとうございました。

みなさんに願い事をかいていただいた短冊ですが、先日、神社に奉納してきました。

みんなの願いが、かないますように。

移転・保育室開室1年

2017年07月22日

昨年7月に、こどもクリニック中山医院として、瓜島町に移転・保育室を開室して1年となりました。

小児科医になってから、いつもほんとうは来たくないクリニックに抵抗なくきてもらうにはどうすればいいかを考えてきました。その考えを少しでも形にしたくて新しいクリニックにして始めました。

東京で仕事をしていた時から、病児保育の必要性を感じていました。夫婦で仕事をしながら子供を育ててきました。市内の保育園の一時預かりに助けられました。下の子が生まれる時も同じように助けられました。そんな気持ちから保育室を作りました。富士市こども子育て会議に参加して、3歳以下の保育所の少なさを知りました。少しでも役に立ちたいと思い、保育室を作りました。

1年経って、新しいクリニック、保育室は、ニーズに答えられているでしょうか。このことをスタッフと考えながら、これからも続けていきたいと思っています。

よろしくお願いします。

ワクチンの同時接種について思う事

2017年05月23日

今年・昨年と東京都で複数のワクチン液を1つのシリンジに混ぜてお子さんに接種していた事案が問題となりました。各ワクチンの添付文書には、「他のワクチンと混合して接種してはならない」という記載があります。その理由は、複数のワクチンを混ぜると、混ぜないで接種した場合と比較して、ワクチンの各成分に対する免疫がきちんとつくのか、強い副反応がでることはないのかなどが明確になっていないからです。

実際に、かつて海外でヒブワクチンをDPTワクチンと1本のシリンジに混ぜて接種した際に、ヒブワクチンの免疫原性が低下したという研究報告があります。

同時接種とは同じ受診機会に身体の異なる部位に複数のワクチンを接種することであって、1本のシリンジに複数のワクチン液を混ぜることではありません。同時接種については、ワクチン液を混ぜる場合と異なり、有効性や安全性において問題がないという情報が国内外で集積されています。

子どもがどんな順番で感染症にかかるのか予測はできません。予防のためには複数の病気に対する免疫をできるだけ早期につけることが望ましく、同時接種はそのための手段の1つです。確かに、複数の箇所に注射針を刺されるので、子どもは何度も痛がります。その負担を減らしてあげたいという気持ちは誰でも同じです。しかし、有効性や安全性が未確立な接種をお勧めすることはできません。したがって、複数のワクチンを混ぜて接種することはできません。

子どもたちの痛みという負担を軽減しようという思いは、小児科医すべてが思っている事です。諸外国では、日本の4種混合ワクチンに、Hibワクチン、B型肝炎ワクチンの加わった6種混合ワクチンが一般的です。早く国内でも諸外国のような安全性有効性の確立されている6種、7種、8種という混合ワクチンが使えるようになることを日々祈っています。

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