12月です。
12月に入りました。今年も残るところあと1ヶ月です。
クリニックの中も徐々にクリスマスの模様になっています。
とても楽しいですね。写真の飾り、どこにあるでしょう?
さがしてみてね。
こびと達がやってきた
インフルエンザの治療の開始は、発症後24時間以内が望ましい。
先日、名古屋で行われた「インフルエンザ エキスパート ミーティング」に招待され、参加してきました。
そこで聞いた最新の知見から、得た結論は、「なるべく早期に(24時間以内が目安)治療を開始することが望ましい。」ということです。
日本内科医会のインフルエンザ対策部門の最新の調査では、家族内でインフルエンザ患者が出た場合、24時間以内に治療を開始した場合の家族内発生率は8%という結果でした。それを超えると家族内発生は、17%まで増加します。
一方、インフルエンザの迅速診断(鼻の中に綿棒を入れられる痛いやつ)は、以前は発症後12時間たたないと陽性にならないので熱が出て半日たたないとあてにならないなどと言われていましたが、最新のデーターでは、A型インフルエンザで発症後6時間での陽性率は90%となっています。検査も日々進歩しているんですね。
診断の観点からも24時間以内の治療開始は困難ではなくなってきており、気をつけたいところです。
慌てて医療センターに夜中、明け方に駆け込むことは望みませんが、体がしんどいのを検査のために我慢する必要もなくなっています。
小児肺炎球菌ワクチンは市中感染症にも有効
11月から小児肺炎球菌ワクチンが7価から13価に変更になりますが、(約90種類ある肺炎球菌のうち7種類の肺炎球菌に対するワクチンから13種類の肺炎球菌に対するワクチンに変更になる)元々、肺炎球菌の髄膜炎をなくすために開発・導入されたワクチンですが、肺炎に対しても有効と言う結果がでました。
アメリカ小児科学会によると、米国で小児ワクチン接種スケジュールに7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が導入された2000年前後の肺炎による入院率を比較すると、1997〜99年に比べ、2007〜09年の2歳未満肺炎入院率は年間10万人当たり555.1件減少し、この減少は導入後10年間持続した。85歳以上の入院率にも1300.8件の減少が見られた。
そういえば、クリニックでも、最近確かに肺炎のこどもが減っています。 よかった。
RSウイルス感染症の予防法
例年冬になると、赤ちゃんに肺炎や気管支炎を起こす「RSウイルス感染症」が流行します。
RSウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫、ドアノブやコップなどの接触を通して感染します。4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻水など風邪のような症状が数日続きます。多くは軽症で済みますが、ひどくなると肺炎や細気管支炎を起こします。 生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子供が1度はRSウイルスに感染します。早産で生まれたり肺や心臓に病気のある赤ちゃん、また生後3カ月以内の感染は重症化する場合があるので、特に注意が必要です。
ウイルス排泄期間は7~21日と長いため、感染が広がりやすく、汚染されたドアノブやコップなどでは6時間、手についたウイルスは約30分感染する力を持っているため、かなり感染力が強いウイルスと言えます。
実際の予防法
冬、兄弟姉妹が風邪を引いている時には小さな子供は要注意!
家族全員で手洗いをしましょう。そして、親子ともに、かぜをひいた人との接触を避けます。1歳以下の乳児にいかに感染させないようにするかが重要なポイントになります。
特に、RSウイルス流行期(10月頃から2月頃)には、次のような場所、行動を避けましょう。
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受動喫煙の環境
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人の出入りが多い場所
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保育所の利用
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乳幼児と兄姉(学童、幼稚園児)との接触