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院長講座「熱中症」

2022-07-04

だんだんと暑くなってきて、熱中症が心配される季節になってきました。
子どもは体温の調節がまだうまくいかないので、熱中症になりやすいともいわれています。日常よくみられるのは 熱疲労 という状態で、

●軽度から中等度の脱水がありますが、体温はそれほど上昇していません

●めまいや頭痛に加え、筋肉の痙攣(こむら返り)が起こることもあります

●おなかの症状があるのも特徴で、おなかの臓器への血流が悪くなったり、

めまい自体が吐き気や嘔吐を引き起こすと考えられています。
この状態で放っておくと悪化して重症化してしまう可能性があるので、気づいた時点でなるべく早く対処する必要があります。熱中症になっても、初期のうちに適切な対処をすれば進行を防げます。もしかしたら熱中症かも!と思ったときに、まずやるべきことをみていきましょう。

 

「涼しい場所に移動する」

熱中症は屋内・屋外問わず、外気温や湿度が高いときに発症します。

屋外:風が通る日陰、屋内:できれば空調できる場所への移動が望ましいです。

衣類も脱がせるかなるべく緩めるようにし、風が通るようにして寝かせてあげましょう。

 

「体を冷やす」

体の中で大きな血管が通る部位を積極的に冷やしましょう。

具体的には、首の後ろ、脇の下、太ももの付け根です。

低温やけどしないように注意しながら、氷嚢やアイスノンを当ててあげましょう。すぐにこうしたものが手に入らない場合には、自販機などで売っている冷えたペットボトルでも代用できます。

また、熱を逃すために、表面を少し濡らしたあとにうちわなどで扇ぐのも効果的

です。薬局などで販売しているジェルシート(冷えピタ)は体温を下げる効果はないので、注意しましょう。

 

「水分を摂らせる」

意識がはっきりしているようであれば、冷たい水分を与えて中から冷やすのも効果的です。熱中症では脱水は必ず存在するので、脱水の補正と、体温を下げることの両方に有効です。水分はお茶や水ではなく、必ず経口補水液など塩分を含んだものにしましょう。
経口補水液が手に入らない場合には、自作することもできます。
水500mlに対して塩ひとつまみと砂糖大さじ2杯程度が適切な分量です。

 

こどものクリニック中山医院 院長

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