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はしか

2016-09-08

はしかの話題が世間を騒がせております。そんなはしかぐらいでとか昔はいっぱいいたよとか最近いないからうつしてもらえないんだよねとか聞きますが、実は、はしかは大騒ぎをするような感染症なのです。

はしかは肺炎、脳炎など重篤な合併症を起こし死亡する危険のある感染症(2000年以前は全世界で年間80万人以上が死亡していました)で、薬で治すことができません。そのため、ワクチンで予防することが大事です。

日本は昨年、WHOから「麻しん(はしか)排除状態にある」と認定されて、今後は今回のニュースになっている様な外国から持ち込まれる「輸入症例」に注意することになります。そういった場合、医療機関での早期診断が非常に重要になります。2009年以降の麻しん(はしか)報告数は年間500例を超えることはなく、「国民衛生の動向」統計表によれば昨年の麻しん(はしか)報告数は35例でしたから、最近の若いお医者さんは「はしか」患者を診たことがない人も多い様です。実際わたしも20数年前に東京で大流行があった際に、都内の病院勤務していたのが、記憶にある最後かもしれません。

はしかのワクチンの接種率は2013年時点で1期が95.2%、2期が93%です。まだ100人中数人ははしかにかかる危険があります。ましてや2回接種をしていない成人は、はしかの予防接種の効果がきれているかたも多く、そのような方が、はしかがまだ流行している外国(中国や東南アジアなど)に行き、感染してきて、そこからの今回の関西空港での感染のような2次感染を起こす危険があるので、いくら麻しん排除状態にあるからといって安心は出来ないのです

先にも書きましたが、ワクチンの効果は1回の接種でも95%以上(2回接種で更に高くなります)です。
麻しんは感染症の中でも最も感染力の強い疾患の一つですから、ワクチンを受けられる年齢になったら出来るだけ早く受ける様にしてください。また、20〜30代前半の年の方は、はしかにかかる危険があることを忘れないでください。できれば、20〜30代前半の年の方も2回目のワクチンを接種することをおすすめします。

 

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