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任意接種の定期接種化

2012-05-20

予防接種法改正案の今通常国会への提出に向けた議論が大詰めを迎えています。

厚生労働省は、5月に開かれた厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会で、 第2次提言が了承され、今後法案の作成作業に入ることになりました。

法改正の柱は、定期接種の対象ワクチンの追加。しかし、「財源の確保」と「地方との調整」がネックになっており、 報道されたように検討された7種類のワクチンのうちどうやら追加されるのは、小児肺炎球菌、ヒブワクチン、子宮頸がん予防ワクチンの3種類だけのようです。

同時に検討されていたみずぼうそう、おたふくかぜ、B型肝炎、高齢者肺炎球菌の4種類は今回は見送りとなりました。

 小児科医の偏見かもしれませんが、この少子化の時代、少ない子どもを大切に育てて行くことは、将来の国を支える(税金を払ってくれる)人を育むと言う観点からも、第一義に行うべき政策だと思うのですが・・。

 それに、任意接種という制度、経済的に余裕のある家庭の子どもほど受けられるチャンスが大きく、親の収入によって、命に係わることもある病気に罹るリスクに差が出るという、おかしなことがまかり通っているわけです。

それと同時に、子どもが病気にならないということは、出席停止のおたふくかぜや水痘、感染性胃腸炎などの看病の為に親が仕事を休まなくても良くなるので、それに関連した経済的損失も減らせるのですが、そういった諸外国では常識になっているワクチンの経済効果に関しても、もう少し検討されてもよいのではないかと思ってしまいます。

今回、検討されていない予防接種もあり、早くすべての予防接種が公費負担でできるようになり、すべてのこどもが公平に予防接種を受けられ、ワクチンで予防できる病気がなくなるよう思っております。

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