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水痘ワクチンの定期接種化

2014-02-28

みなさんはあまり関心がないことかと思われますが、大阪大学名誉教授の高橋理明先生が昨年末にお亡くなりになりました。高橋先生は世界で初めて水痘(みずぼうそう)のワクチンをお作りになられたことで知られています。世界中の多くの国で広く使われ、米国では1995年より定期接種化され患者さんが激減しているそうです。ニューヨークタイムズには年間400万人の患者、11000人の入院、100-150名の死者を出していたこの疾患も高橋先生のおかげで過去のものになったと大きく報じられました。世界中で報じられた高橋先生の死去ですが、本家の日本ではほとんど報道もされませんでした。この差はちょっと残念です。ただし米国よりはかなり遅ればせながらその水痘ワクチンがようやくこの10月から定期接種化されます。それも2回接種とのことで、本家ながら20年遅れではありますが大変喜ばしいことと思います。

英国の有名な医学雑誌「LANCET」に、この1月の終わりに水痘ワクチンの2回接種の有効性に関する論文が載りました。これによると、水痘感染歴のない生後12-22カ月の小児5803人を対象に、水痘ワクチンの発症予防効果を無作為化比較試験で評価。水痘の発症および中-重度化の予防における有効率は、麻疹・ムンプス・風疹・水痘ワクチン(MMRV)2回接種群で94.9%および99.5%、MMR+1価水痘ワクチン各1回接種群で65.4%および90.7%だったということです。

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