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効果が時間とともに弱まる百日咳ワクチン

2018-08-29

4種混合ワクチンは、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオを対象としたワクチンです。定期接種の対象となっており、生後3カ月から始めて計4回接種します。
現在国内では、ジフテリアとポリオの患者は報告されていません。予防接種対策が功を奏している感染症といえるでしょう。

一方、百日咳ワクチンの効果は時間とともに弱まることから、ワクチン接種スケジュールの見直しも検討課題となっています。まずは百日咳の実態を把握すべく、2018年1月から5類感染症の全数把握疾患となり、全国の医療機関から報告を上げ、集計しています。この5月に初めて発表された患者集計の結果では、5歳未満が14%にとどまり、5歳以上15歳未満が52%、20歳以上の成人症例が34%でした。
学童期のお子さんであって、4種混合ワクチンを接種していても、1ヶ月以上続く咳嗽の際には、念頭に置く疾患になっていることがわかりました。
この問題を解決するには、現在、11歳から行われている2種混合(ジフテリアと破傷風の2つ)を諸外国のように3種混合(2種+百日ぜき)に変更する必要がありますが、まだ我が国では2種混合のままの接種が続いています。

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