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院長講座「乾燥する季節のスキンケア」

2021-10-29

乾燥期の冬は、肌の水分量不足と空気乾燥などにより、皮膚中の水分が出ていく一方なので、水分を保持しにくくなり、うるおい不足に陥ります。そして外的刺激から守る肌のバリア機能も低下しがちです。とくに子供の場合、皮膚は大人よりも薄く、皮脂の分泌も少ないので、大人の肌と比べて水分を体内にとどめる働きが未熟なので、どうしても乾燥肌になりやすいのです。ちょっとした刺激に敏感に反応し、炎症や痒みといった肌トラブルにつながることもあります。肌が乾燥した状態が続くと、外的刺激に弱くなり、ちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。

子供の肌を乾燥から守るには、肌乾燥を予防すると共に効果的な保湿が必要です。具体的には軟膏や保湿クリーム、ベビーローションなどの保湿剤を使うのがおすすめです。お肌のコンディションと合わせて、丁寧に保湿ケアを行うことで、皮膚中にたっぷりの水分が、備わります。うるおいを逃がさないためのフタをする効果もあります。一般的に、保湿を行うタイミングは、お風呂上がりが最適です。お風呂といえば、お風呂の温度も注意が必要です。冬場は気温が低いのでお風呂の温度を高めに設定するご家庭も多いと思いますが、熱いお湯に長時間浸かると、皮膚の保湿成分(セラミド)が流出します。大人の皮膚の表皮は0.02mmですが、子供はその半分以下の薄さです。そのため、大人と同じように入浴させると、乾燥肌が悪化する場合があります。お湯の温度設定は38度~40度のぬるめで、5~10分程度浸かるのを、目安にするのがいいでしょう。またスポンジやナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは肌に負担をかけて、乾燥を招きます。石けんをたっぷりと泡立てて、素手で優しく洗ってあげましょう。

また、空気乾燥は乾燥肌を招く原因になるので、加湿器などで室内の湿度を適度に保つことにより、健やかな肌状態をキープできます。室内での快適な湿度は40~60%といわれていますが、50%を目安に湿度を調整するだけでも、肌の水分の蒸散が防げて、肌乾燥が和らぎます。加湿は、風邪や

インフルエンザ、新型コロナなど気道感染症にも有効です。

保湿は外側からのスキンケアだけでなく、こまめな水分補給で内側からケアすることも大切です。

冬場は、水分補給が少なくなりがちです。注意しましょう。

 

最後に、子供は痒みを我慢できずに掻いてしまうことがあるので、肌を掻いても傷がつかないように、日頃から爪を短く切っておくのも効果的な予防法です。

冬の乾燥から子供の肌を守るための基本は、「清潔を心がける」「乾燥を招く要因を減らす」「保湿

ケア」の3つです。

乾燥が気になる場合、保湿剤を塗る回数を増やしても大丈夫ですが、痒みや炎症が強くホームケアでは改善しづらい場合は、医療機関を受診しましょう。

こどものクリニック中山医院 院長

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