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~栄養士講座~ 「味覚について」

2023-12-25

毎日の食生活の中で、こどもに対して好き嫌いなく何でも食べてほしいと願うのはどの保護者も同じです。しかし、実際にはこどもの好き嫌い・偏食についての

悩みがあって、特に野菜嫌いの子が多いのはどうしてでしょうか。

ヒトの舌には味覚センサーの働きを持つ味蕾という細胞があります。この味蕾の数は、大人に比べて小さなこどもに多く、味に敏感であるといわれています。

私たちが感じる味覚には、味の基本五味というものがあります。

「甘味」「塩味」「旨味」「酸味」「苦味」の5つです。

このうち甘味、塩味、旨味は私たちが生きていくために必要な栄養素である糖質、ミネラル、たんぱく質(脂質の一部も旨味として感じます)を感じるシグナルで、本能的に必要なものとして好むと考えられます。

一方、酸味と苦味はどうかというと、酸味は腐敗した味、苦味は毒の味として認識し、口の中に入れてはいけない有害なもののシグナルとして受け取ります。

酸味や苦味の強い野菜は本能的に避けてしまうのです。

しかし、食経験を積むこと、例えば周りの大人がおいしいと食べている所を見ることや、頑張って食べることで褒められた経験で食行動に変化が出てきます。

食への興味を持ってもらうことも大切ですね。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

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