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みずぼうそう

接種に関して

予防接種を受ける時期

1歳を過ぎれば接種できます。

接種方法と注意

弱毒生ワクチンを注射します。
水痘の患者に接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば、60~80%程度は発病を防止でき、発病しても軽く済ませることが出来ると言われています。

ワクチンの副反応

健康な小児の場合、重大な副作用の報告はありません。
水痘ワクチンは弱毒生ワクチンですから、ウイルスが体内で増えますから、接種後1~3週間ごろ発熱、発疹が現れることがありますが頻度は低く、一過性で通常数日中に消失します。
過去に水痘にかかったかどうか不明でも水痘ワクチンを接種して特に副作用が強くなることはありません。 悪性腫瘍や白血病、ネフローゼの患者では、接種後14~30日に発熱を伴った丘疹、水疱性発疹がでることがあります。

よくある質問

自然感染の水痘の潜伏期間中に水痘ワクチンを接種してしまいました。どうなるでしょうか?

水痘ワクチンは、たとえ自然感染の水痘の潜伏期中に接種したとしても、ワクチンの副反応が強まることはありません。
水痘の潜伏期は13~17日程度ですから、潜伏期の後半に接種した場合には、ワクチンウイルスは自然感染の水痘ウイルスの干渉を受けて、抗体産生を発揮できなくなります。 反対に、自然水痘の患者と接触後3日以内の潜伏期中のワクチン接種である場合には、自然水痘の発病が約80%阻止されます。

水痘罹患の記憶がない人への接種はどうすべきでしょうか?

子どもの時に水痘に罹った場合、不顕性に経過していることがあります。小さな水疱を見逃していることもあります。 罹患しているかどうかは、免疫学的検査で確かめるしか方法はありません。 検査はいくつかありますが、どれも時間と費用がかかりますので、免疫を確かめることなく、ワクチンを接種しても差し支えありません。 副反応が強まることはありません。

水痘ワクチンの予防効果について教えてください。

水痘ワクチン予防効果につきましては、90%以上の抗体陽性率とワクチン接種後11年にわたる長期追跡調査から中和抗体の持続は良好となっています。 また、厚生省予防接種副反応研究班内の平成7年3月全国アンケート集計結果では、ワクチン接種者で後に水痘患者と接触のあったケースの発症率は11.2%(ワクチン接種17日以後の発生)です。 このうち約90%は発疹50個以内でいわゆる軽症者であり、また、家族内感染発症率は14.1%であったことが報告されています。 即ち、ワクチン接種者の大多数はその後の感染機会があっても発症せず、発症しても多くは軽症でした。

水痘ワクチン接種後どのくらいの期間注意が必要でしょうか?

他の生ワクチンと同様ですが、接種後2~3週間は、気をつけることが大切です。

帯状疱疹の患者と接触して、水痘に感染する心配はありますか?この場合、ワクチン接種をしておく必要があるでしょうか?

帯状疱疹ウイルスは、水痘ウイルスとウイルス学、免疫学、電子顕微鏡学的に同一で、ウイルスDNAも全く同じです。 帯状疱疹の患者に接触した場合、水痘を発病することがありますが、帯状疱疹の患者から感染する率は低いと考えられています。
帯状疱疹は、水痘に罹患した後、水痘ウイルスが排除されることなく、神経節に持続感染して、何年も経過した後抵抗力が衰えたとき、帯状に発疹が現れる病気です。 帯状疱疹が現れてから本人へのワクチンの接種は意味がありません。抗ウイルス剤の治療を受けて下さい。
飯塚万利子他:小児内科,21,217,1989

水痘に自然感染したあと、帯状疱疹になることがありますが、ワクチンの接種で帯状疱疹が出ることがあるでしょうか?

水痘ワクチン接種と帯状疱疹の関連性につきましては、急性白血病児の場合、自然感染による帯状疱疹発生率は約16%で、これに比べてワクチン接種児は約4%です。 また、ワクチン接種後の発疹出現状況で帯状疱疹の発生が異なっているようです。 急性白血病児の場合、発疹を生じたときの帯状疱疹発生率約16%は発疹の出ないときの約2%に比べると多いようです。 したがって、ワクチン接種を受けた小児の帯状疱疹罹患率は自然感染の場合より低いと考えられております。
Hardy et al,N Engl J Med 325:1545~1550,1991