おたふくかぜ
接種に関して
予防接種を受ける時期
1歳を過ぎれば接種できます。
接種方法と注意
弱毒生ワクチンを注射します。
おたふくかぜのワクチンの予防効果は、約90%程度と考えられています。
ワクチンの副反応
接種後2~3週間たった頃、発熱、耳下腺のはれ、嘔吐、せき、鼻汁などをまれに認めることがあります。
しかし、一般にこれらの症状は自然感染の時に比べ軽く、かつ一過性で、通常、数日中に消失します。
一番、問題となるのはワクチン接種後の髄膜炎です。
ただし、0.1%以下と言われており、自然にかかった場合の3~10%よりは低い率です、また後遺症を残すことは、ほとんどないと言われています。
そのほか、まれに急性の紫斑、鼻出血、難聴のほか、特に思春期以降の男性に精巣炎(睾丸の腫大)が、接種後か3週間頃にあらわれたとの報告があります。
よくある質問
兄弟がおたふくかぜになってしまいました。今からでもワクチンができるでしょうか?
残念ながら間に合いません。先にワクチンをしておく以外、予防は難しいです。
ワクチン接種後の無菌性髄膜炎の診断と経過は?
ワクチン接種後の髄膜炎の発症は、1歳から3歳未満に集中(90%)して、これは接種年齢を反映しています。 嘔吐、髄膜刺激症状などの臨床症状のみで診断している症例もありますが、臨床症状に加えて髄液検査により細胞増多を認めたことを診断の根拠としている場合が96%と圧倒的に多く、72%がウイルス分離を行っています。 症例の95%が入院し、入院例のうち76%が1~3週間入院していますが、経過は良好で全員が完治しています。
麻疹ワクチンや風しんワクチンにくらべて抗体獲得率が低いといわれていますが?
おたふくかぜワクチン接種後の抗体価測定技術の問題もあって、測定者によって獲得率に違いがあることがあります。
中和抗体測定法やELISA抗体測定法によって、90%前後の抗体獲得率となっていますが、HI試験によると麻しんや風しんワクチンの抗体獲得率にくらべてやや低いようです。
確かに麻疹や風しんワクチンに比べると3年から4年で免疫が失われ、発症する例が報告されていますが、一般的には軽症に終わる場合が多いようです。
積極的におたふくかぜワクチンの接種をしたほうがいいでしょうか?
おたふくかぜは、集団生活をする4歳前後に最もかかりやすいことと、いったんおたふくかぜにかかりますと無菌性髄膜炎、難聴、睾丸炎などの合併症の心配もあります。 自然感染で重い症状や後遺症で苦しむよりはワクチン接種で防ぐほうが賢明です。 ただ、このワクチンにはまれに起こるワクチンウイルスによるものと疑われる無菌性髄膜炎がありますので、そのことをよく理解したうえで、ワクチン接種を受けるようにして下さい。 ただし、このまれに起こる副反応は、自然感染によって起こる合併症よりもはるかに頻度は低く、経過も良好なものです。
過去におたふくかぜに罹患したどうか分かりませんがワクチンを接種してかまいませんか?
おたふくかぜに罹ったかどうかは、血清学的に抗体検査をしないとはっきりしません。 おたふくかぜは不顕性感染といって、ウイルスに感染しても症状がでないで抗体のみ獲得することがあります。 抗体がある人にワクチンを接種しても、問題となる副反応は生じることはないと考えられています。