インフォメーション

サーバリクス(子宮頸癌予防ワクチン)

接種に関して

発がん性HPV 16型、18型の感染を防ぐワクチン
  • サーバリックスRは、すべての発がん性HPVの感染を防ぐものではありませんが、子宮頸がんから多くみつかるHPV 16型、18型の2つのタイプの発がん性HPVの感染を防ぐことができます。
  • サーバリックスR を接種しても、HPV 16型およびHPV 18型以外の発がん性HPVの感染は予防できません。また、サーバリックスRは接種時に発がん性HPVに感染している人に対して、ウイルスを排除したり、発症している子宮頸がんや前がん病変(がんになる前の異常な細胞)の進行を遅らせたり、治療することはできません。
  • 上記のようにサーバリックスR の接種時にHPV 16型や18型の発がん性HPVに感染している人に対して、十分な予防効果は期待できませんが、HPV 16型と18型の両方に同時に感染している可能性は低く、HPV 16型に感染している人でもHPV 18型への予防効果が、HPV 18型に感染している人でもHPV 16型への予防効果が期待できます。また、発がん性HPVに感染している人に対してサーバリックスR を接種しても症状の悪化などは報告されていません。
  • 子宮頸がんの発症は20代以降に多いですが、発がん性HPVに感染してから発症まで数年~十数年かかります。
  • 発がん性HPVに感染する可能性が低い10代前半に子宮頸がん予防ワクチンを接種することで、子宮頸がんの発症をより効果的に予防できます。
  • ワクチンを接種した後も、全ての発がん性HPVによる病変が防げるわけではないので、早期発見するために子宮頸がん健診の受診が必要です。市区町村が実施する公的子宮頸がん健診は、20歳以上を対象として2年に1回の受診間隔で実施されますので、10代でワクチンを接種しても20歳を過ぎたら定期的な子宮頸がん健診を受けましょう。なお、10代の方は公的な健診制度はありません。気になることがありましたらすぐにワクチンの接種を受けた医療機関にご相談ください。20歳を過ぎたら、定期的に子宮頸がん健診を受けましょう。
予防接種を受ける時期

サーバリックスRの十分な予防効果を得るためには3回の接種が必要です。

サーバリックスR の接種対象者は、10歳以上の女性です。
サーバリックスRは、臨床試験により15~25歳の女性に対するHPV 16型と18型の感染や、前がん病変の発症を予防する効果が確認されています。
10~15歳の女児および26歳以上の女性においては予防効果に対するデータはありませんが、 サーバリックスR を接種すると15~25歳の女性と同じように抗体ができることが確認されています。

サーバリックスR の予防効果がいつまで続くかについては、現時点で成人女性で一番長い人で 6.4年間(平均では5.9年間)までサーバリックスR 接種による抗体と予防効果が続くことが確認されています(海外臨床試験成績)。
ただし、子宮頸がんの発症を予防するのに必要な抗体の量については現時点では明らかになっていません。 なお、現在も接種後の経過観察が続けられております。
将来、サーバリックスRの追加接種が必要となる可能性もありますので、 今後得られる情報にご留意ください。

子宮頸がんは多くの場合、発がん性HPVの持続的な感染や前がん病変の後に発症すると考えられており、 これらを予防することにより、子宮頸がんを予防できると考えられています。
子宮頸がんを発症するまでには発がん性HPVに感染後、数年から十数年かかります。
臨床試験では、サーバリックスRにより発がん性HPVの持続的な感染および前がん病変が予防できることが確認されていますが、 子宮頸がんに対する予防効果について確認されているわけではなく、海外で検討が続けられています。
更なる情報についてはウェブサイト等で随時公開してまいります。

3回の接種の途中で妊娠した場合には、接種は継続できません。 その後の接種について先生にご相談ください。

ワクチンの副反応
  • サーバリックスR 接種と関連性があると考えられた主な副反応について、以下のように報告されています。
    ・頻度1~10%未満 発疹、じんましん、注射部分のしこり、めまい、発熱、上気道感染
    ・頻度10%以上 かゆみ、注射部分の痛み・赤み・腫れ、胃腸症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)
     筋肉の痛み、関節の痛み、頭痛、疲労
    ・頻度0.1~1%未満 注射部分のピリピリ感/ムズムズ感
    ・頻度不明  失神・血管迷走神経発作
    (息苦しい、息切れ、動悸、気を失うなど)
  • 重い副反応として、まれに、アナフィラキシー様症状(血管浮腫・じんましん・呼吸困難など)があらわれることがあります。
  • 接種後1週間は症状に注意し、強い痛みがある場合や痛みが長く続いている場合など、気になる症状があるときは先生にご相談ください。
接種後の症状について

サーバリックスR にはワクチンの効き目をよくするための2種類のアジュバント(免疫増強剤)が添加されています。1つはアルミニウム塩で、国内で市販されているワクチンによく使われています。もう1つは、MPL(3-脱アシル化モノホスホリル脂質A)で、海外で市販されている他のワクチンにも添加されていますが、国内では初めて添加される成分です。

サーバリックスR を接種した後に注射した部分が腫れたり痛むことがあります。

注射した部分の痛みや腫れは、体内でウイルス感染に対して防御する仕組みが働くためにおこります。通常は数日間程度で治ります。

海外で市販されているサーバリックスRは推定で220万人以上(3回接種で換算)に接種されています(2009年5月時点)。国内の臨床試験では約600名に接種されています。