インフォメーション

~中山通信~ 急性胃腸炎

2025年04月03日

昨年の12月から胃腸炎の流行が続いています。この4ヶ月の間に増加減少を繰り返し、クリニックでは患者さんが途切れることがありません。急性胃腸炎・感染性胃腸炎・ウイルス性胃腸炎など呼び名はいろいろありますが、表現の仕方により名称が変わるだけで同じものと考えて差し支えありません。

通常、胃腸炎の原因のほとんどはウイルスで«ノロウイルス»«ロタウイルス»が有名ですが、それ以外にもたくさんあり、この4ヶ月で数回かかった方もいます。現在の流行の中心は«アストロウイルス»«サポウイルス»です。食中毒などの集団発生ではノロウイルスが多いですが、通常の感染ではそれほど多くはありません。アストロウイルスもサポウイルスもノロウイルス同様に感染力も強く、嘔吐・下痢を起こしますので、ノロウイルスなどと同様に注意が必要です。ノロウイルスでなければ良いというわけではないのです。

ウイルスを原因とする感染性胃腸炎には特別な治療方法はなく、つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがあるので、早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤えん(嘔吐物が気管に入る)による肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。嘔吐の症状がおさまったら、少しずつ水分を補給し安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるように心がけましょう。

★感染予防のポイント★

① 感染性胃腸炎の主な原因となるウイルスはアルコール消毒の効果が乏しいため、まず一人ひとりが手洗いをきちんと行うことが大切です。特に排便後・調理や食事の前には、その都度石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

② カキなどの二枚貝を調理するときは中心部まで十分に加熱しましょう。

(中心温度 85~90℃で 90 秒間以上の加熱 * が必要です。)*「大量調理施設衛生管理マニュアル」(厚生労働省)より

③ 吐物や糞便は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)を使用し適切に処理しましょう。

④ 吐物や糞便を処理する際は、できれば使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

⑤ 糞便・吐物との接触ばかり取り沙汰されますが、実際の感染は飛沫感染が多いです。

通常の風邪やインフルエンザ・新型コロナウイルスと同様マスクの予防効果も高いので、特に家族が発症した際にはマスクをすることもおすすめします。

中山医院 院長 中山豊明

~栄養士講座~ 「ちょうどよいバランスの食生活を考えてみましょう」

2025年03月25日

4月は新しい環境になるという人が多くなります。仕事や学校、習い事などやりたいこともやらなくてはいけないこともたくさんありますよね。

健康な体と心を保つために、食生活の見直しをお勧めします。食事バランスについては、次のことに注意してみてください。

 

①三大栄養素のバランスが大事!

1日に必要なエネルギー量(カロリー)であれば、どんな食べ方でもOKと思っていませんか。

ヒトが生きていく上で必要な栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物ですので、偏らないことが大切です。

炭水化物の摂りすぎになりやすいのは主食の重ね食べです。おにぎりとカップめんなど、おかずが少なくなるとたんぱく質が不足しがちになります。

脂質の摂りすぎになりやすいのはカルボナーラとケーキなど、油脂(バター)や生クリームの重ね食べに注意が必要です。ざっくりと「主食」「主菜」「副菜」がそろっているか確認すると良いですね。

②1日2食だと必要な栄養素を摂るのは難しい!欠食しないこと!

特にカルシウムと食物繊維はもともと摂取量が少なめですので、より少なくなってしまいます。

③栄養バランスだけでなく生活リズムや家計などのバランスも考えて

特に野菜不足は気になるけれど高価でためらってしまう場合には、冷凍野菜を上手に使うと良いです。収穫後すぐに急速冷凍されたものなので栄養素に違いはほとんどありません。

ご家庭でのちょうど良いバランスについて考えてみてください。

 

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

~栄養士講座~ 「お米の栄養」

2025年03月07日

私たち日本人の食生活は選択肢が増えて多様化しています。

近年では健康のためにお米を食べないという人もいるようですが、本当に良いのでしょうか。

お米の栄養成分の7割以上は炭水化物で、生きていくためのエネルギー源となります。炭水化物と糖質は同じものと思われがちですが、実は炭水化物とは「糖質」と「食物繊維」を合わせたものを指します。そしてお米には脂質が少ない特徴があり、たんぱく質も含まれています。エネルギー源となる炭水化物と体をつくるたんぱく質の両方が摂れる、理にかなった食品と言えますね。

お米の1人あたりの消費量は少なくなっています。お米は太ると思って食べないようにしているという方もいるでしょう。しかし人が太ったり痩せたりするのはエネルギーの摂取と消費のバランスが取れていないことで起こるものであり、糖質だから太るということではありません。

どのような食事でも、摂取エネルギーが消費量よりも多ければ脂肪として体に蓄積されやすくなります。バランスが大切なのであり、お米を食べると太るという訳ではないのです。

お米は腹持ちが良く、脂質が少ないこと、糖質だけでなく食物繊維も含まれる点から体脂肪になりにくいとされています。必要な量は年齢や性別、活動量によって異なりますが、毎食茶碗1膳分くらいは食べるようにしたいですね。

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

 

~ 中山通信 ~ ヒトメタニューモウイルス(hMPV)

2025年02月18日

年末年始のインフルエンザの猛威が1月後半から急に落ち着きましたが、発熱でクリニックを受診されるお子さんはまだ多い印象です。インフルエンザの陽性者が減っているという事は、それ以外の感染症での発熱という事になります。

そのうちの一つ、昨年末からアジア各地で流行と報じられている【ヒトメタニューモウイルス】についてお話ししたいと思います。

このウイルスは気管支炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種で、大人にも感染することはありますが、1~3歳の幼児の間で流行することが多いです。小児の呼吸器感染症の5~10%、高齢者の呼吸器感染症の2~4%は、

このウイルスが原因だと考えられています。2歳までに約30%、5歳までに約75%、10歳までには、ほぼ100%が一度は感染するといわれます。潜伏期間は4〜5日です。

鼻水や咳(せき)とともに38.5℃以上の高熱が出る場合が多いです。嘔吐や下痢も7〜8%近くのひとにみられ、最初は急性胃腸炎と診断されることもありますまた発熱が平均して4~5日続くため、 インフルエンザと間違われることも少なくありません。

喘鳴(ぜーぜー)する症状も60%近くの方にみられます。このように経過は通常の風邪よりは長い傾向にありますが、1週間程度で徐々に症状は治まってきます。しかし、1回の感染では充分な免疫が獲得できないことがわかっており、

何度か繰り返して感染→年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつく→症状が軽くなる という経過をたどります。インフルエンザや新型コロナのように抗原キットで診断できますが、特に特効薬もなく、治療は年齢と症状に応じた対症療法となります。またインフルエンザや新型コロナウイルス感染症のように学校安全保健法の出席停止に当てはまる疾患ではないため、早期に診断する必要はないと考えられます。

 

参考文献

Ebihara T et al. J Clin Microbiol 2004

 

中山医院 院長 中山豊明

~栄養士講座~ 「 食品ロスを少なくしよう 」

2025年01月25日

食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことをいいます。日本では、年間に国民一人当たり約38㎏の食品ロスがあるといわれています。1日当たりにすると、おにぎり1個分くらい。食品廃棄物のうち、食品ロス( 可食部分と考えられる量 )は、食品関連会社による事業系食品ロス( 規格外品や売れ残りなど )、家庭系食品ロス( 食べ残しや直接廃棄 )があり、どちらの量も同じくらいとされています。

家庭からの食品ロスは、一般廃棄物として扱われ、ごみの処理には年間約2兆円もの経費がかかっています

食品ロスを少なくすることで、ごみ処理の経費削減に繋がります。私たちが家庭で出来ることは何でしょうか。

食品ロスを減らすコツは「3つのない」です。

買い過ぎない! 家にある食品を考えて、必要な分だけ買うこと。

作りすぎない! 体調や家族の予定などを考えて作りすぎないようにしましょう。

食べ残さない! 作った料理、買ってきたものは早めにおいしく食べきりましょう。

家庭で捨てられやすい食品は、主食(ご飯、パン、めん)と野菜が多く、理由としては食べきれなかった、傷ませてしまった、賞味期限・消費期限が切れていたことが理由のようです。

 

もったいないを意識して、今日から食品ロス削減に取り組んでみてはいかがですか。

 

メイプル薬局管理栄養士 佐野文美

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