インフォメーション

ボタン電池、気をつけてください

2014年06月28日

こんな記事をみつけました。

小型の家電などに使われているボタン電池を乳幼児が誤ってのみ込み、食道に穴が開くなどの重症事故が相次いでいることから、消費者庁が注意を呼びかけている。

ボタン電池を、乳幼児が誤飲すると食道にとどまることが多く、放電の影響で1時間ほどで食道に潰瘍ができ、穴が開くケースもある。同庁によると、2010年4月から今年3月末までに、子どもの誤飲に関する事故情報が97件報告され、うち6割を1歳児が占めた。

その一方で、ボタン電池の危険性は保護者に十分伝わっていない。同庁が今年3月に0歳から3歳までの乳幼児を持つ母親3248人にアンケート調査したところ、6割が重症事例があることを知らなかった。

幸い食道を損傷する子どもには出会いませんでしたが、以前、救急にいたときに何人か経験があります。全身麻酔下での内視鏡による摘出になりますので、本当に気をつけてください。

インフルエンザワクチンは有効だった!

2014年05月28日

先日の朝日新聞に。『インフルエンザワクチン、子どもの6割に有効。昨季のA型』という記事がのりました。

内容は以下の通り。

 

昨シーズンの子どものインフルエンザワクチン接種は、多くを占めたA型で6割が有効だったことが、慶応大などの研究でわかった。

昨年11月~今年3月に、38度以上の熱とせきなどがある生後6カ月~15歳の4724人を調べた。陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。

その結果、全体ではワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ。とくに、A型は59%、うち1~5歳では約7割で効果があった。B型は効果は確認できなかった。

インフルエンザワクチンの効果は、年により大きく異なると言われています。そして、一般的に、30~50%の効果があれば、接種した方がよいといわれています。子どものインフルエンザワクチンの有効性を示すデーターは、ほとんどなく、厚生労働省研究班が10年以上前にまとめた「1~6歳未満では3割弱の効果」との研究が一般的で小児では、(特に小さい子sほど)効果は低いと考えられてきましたので、このデータはみなさんが、子どもにワクチンを接種させる判断材料としては非常に重要なデーターになると思います。

 やはりインフルエンザはワクチンで予防しましょう!!! 

はしか流行中

2014年03月19日

はしか(麻疹)の患者がことしに入って増え、この時期としては過去6年間で最も多くなっていることが国立感染症研究所の調査で分かりました。

国立感染症研究所によりますと、ことし全国の医療機関から報告されたはしかの患者は172人で、去年の同じ時期のおよそ3倍に上り、過去6年間で最も多くなっています。
ことしのはじめは、はしかの流行が起きているフィリピンから帰国した若者が発症するケースが目立っていましたが、その後、感染は、子どもを中心に広がり、都内の大学病院では集団感染が起きて小児科の病棟が一時閉鎖される事態も今月、起きています。
患者の8割は、ワクチンを接種していないか接種歴が不明だったということです。
はしかは発熱やせきなどで始まり、全身に発疹が出るウイルス性の感染症で、かぜよりも重症感があり、治療薬はありません。脳炎などを起こして重症化することもあります。ほとんどの先進国で、しばらく流行は確認されておらず、予防接種後進国の日本ならではのニュースで、はずかしい限りです。(何年か前に日本は世界最大のはしかの輸出国と避難され、韓国などのはしか撲滅宣言を出した国に流行を起こした事実があります。)はしかの流行は、毎年5月から6月にかけてピークを迎えます。MRワクチンで予防しますが、1歳児とこの4月に小学校に入る子どもたちは、定期接種対象者でワクチンを無料で接種できますので、早めに接種しましょう。

水痘ワクチンの定期接種化

2014年02月28日

みなさんはあまり関心がないことかと思われますが、大阪大学名誉教授の高橋理明先生が昨年末にお亡くなりになりました。高橋先生は世界で初めて水痘(みずぼうそう)のワクチンをお作りになられたことで知られています。世界中の多くの国で広く使われ、米国では1995年より定期接種化され患者さんが激減しているそうです。ニューヨークタイムズには年間400万人の患者、11000人の入院、100-150名の死者を出していたこの疾患も高橋先生のおかげで過去のものになったと大きく報じられました。世界中で報じられた高橋先生の死去ですが、本家の日本ではほとんど報道もされませんでした。この差はちょっと残念です。ただし米国よりはかなり遅ればせながらその水痘ワクチンがようやくこの10月から定期接種化されます。それも2回接種とのことで、本家ながら20年遅れではありますが大変喜ばしいことと思います。

英国の有名な医学雑誌「LANCET」に、この1月の終わりに水痘ワクチンの2回接種の有効性に関する論文が載りました。これによると、水痘感染歴のない生後12-22カ月の小児5803人を対象に、水痘ワクチンの発症予防効果を無作為化比較試験で評価。水痘の発症および中-重度化の予防における有効率は、麻疹・ムンプス・風疹・水痘ワクチン(MMRV)2回接種群で94.9%および99.5%、MMR+1価水痘ワクチン各1回接種群で65.4%および90.7%だったということです。

先天性風疹症候群

2014年01月30日

妊婦検診の血液検査に風疹の抗体を調べる検査が入っていますが、なぜだかご存知でしょうか。これは先天性風疹症候群(母体が風疹になると生まれる赤ちゃんに奇形症候群が起こるもの)の危険があるかないかを調べています。

昨年の風疹の流行は、不幸な結果につながったことが国立感染症研究所から発表されました。例年の我が国での先天性風疹症候群の数は年間3〜4人でしたが、昨年は32人の発生が報告されました。これは過去の最多であった10名の3倍以上というショッキングなものでした。しかも今年に入りすでに4人の発生が報告されており、この1ヶ月で例年の数に並んでしまいました。このままでは今年は昨年以上の数が発生してしまうことも予想されます。

同じく先ほど厚労省の予防接種関係の会議の資料で日本人1歳~49歳男女の風疹感受性者(つまり、風疹に対する免疫が無くて、罹る危険のある人)の推計数は、745万9617人と記されていました。このような状態で再び風疹が流行すれば、先天性風疹症候群が同様に発生する可能性が大きいのです。

昨年、富士市ではお父さんになる男性とおかあさんになる女性に風疹の予防接種の補助をしていました。来年も続けてもらうよう医師会の予防接種委員会では市にお願いをしています。風疹の予防接種を受けましょう。

先天性風疹症候群は、他の国でも重要な問題ですので、過去に他の先進国から「日本は、はしかの世界最大の輸出国」と言われたのと同様に。東京オリンピックに行くのに「風疹に注意して」と言われないためにも市町村単位ではなく、国としてしっかりと本気の対策をしてもらいたいと思っています。

1 22 23 24 25 26 27 28 29 30 32