知ってください、B型肝炎ワクチンの必要性
肝炎の主な原因はウイルス感染で起こります。肝炎のウイルスにはA型〜E型まであって、そのうちC型とB型が多いのです。C型肝炎のワクチンはまだありませんが、B型はワクチンがあり、ワクチンで予防できる病気です。でも、どのくらい必要性があるのでしょう。B型肝炎は、体液(血液など)が体に侵入して起こります。でも昔から滅多に体液が体に入ることがないので、うつりにくいと言われてきました。ですから、子どものB型肝炎のお母さんから生まれた場合に起こるのがほとんどと言われていました。でも、最近ではうつりやすいことがわかってきました。ある調査では、肝炎のウイルスをもっている子どもの汗や涙から検出されるウイルスは100%という結果がでており、肝炎を持っている家族からの感染もあることがわかっています。周囲との接触が原因のB型肝炎は全体の35%とも言われています。また、3歳以下の感染では、大きくなってから感染するよりキャリア(肝炎にはならないが、ウイルスが体にいて、人に感染させる可能性がある人)になる可能性が高くて、人生のどこかで慢性肝炎を起こし、肝硬変、肝臓ガンを発症する可能性が高くなります。現在のB型肝炎が原因の肝臓がんの方は3歳以下にB型肝炎ウイルスの感染した方ということになります。肝炎のワクチンはがん予防がのワクチンとも言えるのです。
もちろん、赤ちゃんでなくても、劇症肝炎といって命に関わるほどの肝炎の原因にもなりますし、なにより大人になって子どもができた際に、子どもにウイルスを移さないためにもワクチンは必要なのです。
だから、世界のほとんどの国では、B型肝炎のワクチンが赤ちゃんのうちに接種する定期接種となっているのです。(じつは北朝鮮も含めたアジアで定期接種になっていないのは日本だけです)
とっても大事なワクチンなんですよね。
ロタウイルスワクチンの効果は・・・
6月9日に米国小児科学会雑誌に、ロタウイルスワクチン接種により、重度のロタウイルス下痢症による小児の入院件数が激減したという、米国疾病対策センター(CDC)の研究論文が載りました。
同研究では、米国でロタウイルスワクチンが定期接種として導入されたあと、5歳未満の小児(特に1歳児)のロタウイルス関連の入院件数および全ての下痢による入院件数が94%減少し、救急および外来の件数も大幅に減少したと紹介しています。また、未接種小児の入院件数も減少しており、ワクチン導入による間接的予防効果も紹介してました。
米国はロタウイルスワクチンは定期接種ですが、日本はまだまだそうはいかないようです。でも、ワクチンの効果が証明されたことで、たくさんの子ども達に接種してもらいたいと思います。
Rotavirus Vaccine Prevents 1.5 Million Health Care Visits Since 2006
6/9/2014
For Release: June 9, 2014
– See more at: http://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/Pages/Rotavirus-Vaccine-Prevents-1-5-Million-Health-Care-Visits-Since-2006.aspx#sthash.V9EfEZWX.dpuf
ボタン電池、気をつけてください
こんな記事をみつけました。
小型の家電などに使われているボタン電池を乳幼児が誤ってのみ込み、食道に穴が開くなどの重症事故が相次いでいることから、消費者庁が注意を呼びかけている。
ボタン電池を、乳幼児が誤飲すると食道にとどまることが多く、放電の影響で1時間ほどで食道に潰瘍ができ、穴が開くケースもある。同庁によると、2010年4月から今年3月末までに、子どもの誤飲に関する事故情報が97件報告され、うち6割を1歳児が占めた。
その一方で、ボタン電池の危険性は保護者に十分伝わっていない。同庁が今年3月に0歳から3歳までの乳幼児を持つ母親3248人にアンケート調査したところ、6割が重症事例があることを知らなかった。
幸い食道を損傷する子どもには出会いませんでしたが、以前、救急にいたときに何人か経験があります。全身麻酔下での内視鏡による摘出になりますので、本当に気をつけてください。
インフルエンザワクチンは有効だった!
先日の朝日新聞に。『インフルエンザワクチン、子どもの6割に有効。昨季のA型』という記事がのりました。
内容は以下の通り。
昨シーズンの子どものインフルエンザワクチン接種は、多くを占めたA型で6割が有効だったことが、慶応大などの研究でわかった。
昨年11月~今年3月に、38度以上の熱とせきなどがある生後6カ月~15歳の4724人を調べた。陽性でワクチンを接種していた子の割合と、陰性で接種していた子の割合を比べた。
その結果、全体ではワクチンを接種した人の45%が発症せずに済んだ。とくに、A型は59%、うち1~5歳では約7割で効果があった。B型は効果は確認できなかった。
インフルエンザワクチンの効果は、年により大きく異なると言われています。そして、一般的に、30~50%の効果があれば、接種した方がよいといわれています。子どものインフルエンザワクチンの有効性を示すデーターは、ほとんどなく、厚生労働省研究班が10年以上前にまとめた「1~6歳未満では3割弱の効果」との研究が一般的で小児では、(特に小さい子sほど)効果は低いと考えられてきましたので、このデータはみなさんが、子どもにワクチンを接種させる判断材料としては非常に重要なデーターになると思います。
やはりインフルエンザはワクチンで予防しましょう!!!
はしか流行中
はしか(麻疹)の患者がことしに入って増え、この時期としては過去6年間で最も多くなっていることが国立感染症研究所の調査で分かりました。
国立感染症研究所によりますと、ことし全国の医療機関から報告されたはしかの患者は172人で、去年の同じ時期のおよそ3倍に上り、過去6年間で最も多くなっています。 ことしのはじめは、はしかの流行が起きているフィリピンから帰国した若者が発症するケースが目立っていましたが、その後、感染は、子どもを中心に広がり、都内の大学病院では集団感染が起きて小児科の病棟が一時閉鎖される事態も今月、起きています。 患者の8割は、ワクチンを接種していないか接種歴が不明だったということです。 はしかは発熱やせきなどで始まり、全身に発疹が出るウイルス性の感染症で、かぜよりも重症感があり、治療薬はありません。脳炎などを起こして重症化することもあります。ほとんどの先進国で、しばらく流行は確認されておらず、予防接種後進国の日本ならではのニュースで、はずかしい限りです。(何年か前に日本は世界最大のはしかの輸出国と避難され、韓国などのはしか撲滅宣言を出した国に流行を起こした事実があります。)はしかの流行は、毎年5月から6月にかけてピークを迎えます。MRワクチンで予防しますが、1歳児とこの4月に小学校に入る子どもたちは、定期接種対象者でワクチンを無料で接種できますので、早めに接種しましょう。