院長講座「花粉症に対するこどもの免疫舌下療法」
舌下免疫療法は、アレルギーとなる原因物質を含んだ内服薬を舌下に投与することで原因物質に対するアレルギーが現れないように体を少しずつ慣らしていく治療方法で、ステロイド薬やアレルギー剤のように症状を押さえ込む薬ではなく、体質を変えて根本から治していく画期的な治療法です。
痛みや副作用も少ないので小児にもおすすめです。抗アレルギー剤は飲むのをやめると効果が消えますが、舌下免疫療法をすると、やめた後も効果が続きます。
現在は、スギとダニに対しての舌下免疫療法が行えます。スギで約8割の方にダニで7割の方に有効といわれています。
治療期間ですが、まず、1〜2年間での効果を確認します。効果があれば合計3〜5年間の治療を行います。効いているか否かも、1〜2年みないとわかりません。また、短期間で治療を終了すると、治療終了後の効果が持続しないと考えられますし、お薬は毎日服用しなければなりません。
スギ花粉症、ダニアレルギーともに5歳以上から開始することができます。お子さんでも、舌下免疫療法は是非とも試みてほしい治療法です。
当院でも行っております。ご相談ください。
栄養士講座「和食の食文化を大切にしましょう」
だんだん暖かくなり、春めいてきました。
皆さんが普段よく口にする食事は、和食と洋食どちらが多いでしょうか。
和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、世界でも食に関する無形文化遺産はあと6種ほどあります。和食の特徴は、日本の国土がもたらす多様で新鮮な食材があり、その味を尊重していること、一汁三菜を基本とする食事スタイルは栄養バランスがとりやすいといわれていること、自然の美しさや季節の移ろいを表現すること、年中行事と密接に関わっていることです。
昔から日本人は、自然を敬い、節目の行事や伴う食事の作法やしきたりをつくり、その恵みに感謝する心から食材を無駄なく大切に使う加工技術や調理法を生み出しています。出汁のうま味や発酵食品を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活ができ、長寿や生活習慣病の予防に役立っているといわれています。米が主食というだけで、パン食よりも塩分が少なく出来るということも良いとされていますね。
調理方法の工夫なども、栄養相談ではお話していますので、ご興味のある方はお声掛けくださいね。
メイプル 管理栄養士 佐野文美
院長講座「花粉症、ご相談ください」
花粉症に悩んでいる方が多いですね。花粉症は、スギやヒノキなどの花粉によるアレルギー性鼻炎、結膜炎などです。春はスギやヒノキの飛散がピークとなります。花粉症の症状を和らげるには花粉との接触を避けることが必要です。花粉症がひどい私は、マスクやゴーグルの他にも天気のチェックも忘れずにしています。花粉が飛散しやすいのは、気温が高く、風が強い日です。反対に、雨の日は花粉の飛散量は少なくなりますが、雨の上がった翌日は2日分の大量の花粉が飛散することがあるので注意しています。
近年、花粉症の低年齢化が言われています。今年のように飛散量がとても多い年では、時に2、3歳の小さいお子さんの花粉症をよくみます。花粉症のお薬も2歳から使えるものも出てきていますので、お子さんが鼻水が出る、鼻が詰まる、よく目をかいているなど花粉症が疑われる症状が気になるようでしたら、ぜひご相談ください。特に屋外に出ると症状が強くなることも花粉症でよくあります。また、黄砂のアレルギーも同じ時期に見られますので、花粉と同じ対処法で乗り切りましょう。
花粉症の治療は、お薬だけでなく、花粉との接触時間を短くする工夫をしましょう。
外から帰ったら早めにお風呂に入って花粉を落としましょう。
こどものクリニック中山医院 院長
新型コロナウイルスワクチンで発症・重症が激減、有効性確認…世界1・8億回のデータ蓄積
米英やイスラエルなどでは、日本に先駆けて新型コロナウイルスワクチンの接種が始まっており、実際の接種現場におけるデータが蓄積され始めました。
英統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界では2月16日現在、1億8000万回以上のワクチン接種が行われています。
最も接種が進むイスラエルでは、人口923万人の4割超が少なくとも1回の接種を受けていますが、同国の医療組織「クラリット」は2月14日、米ファイザーのワクチンを接種した60万人を未接種の60万人と比べ、発症者が94%減ったと発表しています。重症例も92%減少しており、約4万人が参加したファイザーの臨床試験のワクチン接種で発症者数が95%減少とほぼ同等の結果となっています。
英国でも、優先接種の対象となっている80歳以上で、ワクチンの効果が出始めていると、英オックスフォード大などの研究チームが、2月9日時点で、新型コロナに感染した80歳以上の高齢者の死亡率が、1月上旬に比べ30%以上減ったと報告しています。
この95%という数字は、はしかのワクチンの有効性と同じ程度であり、現在、ワクチンによってはしかがいなくなったことから大きな期待が持てると考えています。
マスクは飛沫とエアロゾルを防ぐ
世界で支持されている科学雑誌「NATURE」にサージカルマスクの有用性を検証した論文がありました。
風邪症状のある患者246名に、サージカルマスクを患者自身に付けさせた群と付けなかった群で比較しています。 患者のマスクの付け方の上手下手にかかわらず、サージカルマスクはコロナウイルスを含んだ飛沫とエアゾルを強力に吸着し、インフルエンザウイルスを含んだ飛沫も強力に吸着します。 新型コロナウイルスもコロナウイルスとほぼ同じ構造なので、新型コロナウイルスを含む飛沫やエアゾルはサージカルマスクに強力に吸着すると考えられます。 サージカルマスクの上に吸着した新型コロナウイルスは7日以上、感染能力を保つという香港大学の報告もあり、新型コロナウイルスはサージカルマスクに強力に吸着されて形状を長期に保つと思われますので、使用したマスクは、ビニール袋に入れて捨ててください。 この吸着力によって、サージカルマスクは新型コロナウイルス感染を広げないためにも、自分を感染から守るためにも役立つと思われます。