インフルエンザワクチン接種の接種回数に関して
インフルエンザの流行が他の都道府県では、始まっており、今年は流行が早まりそうです。流行が早まりそうな話は先日のつぶやきでお知らせしましたが・・・。
それに伴って、インフルエンザ予防接種を希望される方が増えておりますが、時々、2回打った方が良いのか、1回で良いのかという質問を受けます。それに関しての私見をお話ししたいと思います。
まず、WHOは、季節性インフルエンザワクチンを推奨していますが、WHOやアメリカなどと日本では推奨している接種回数が異なるのが現状です。WHOやアメリカなどは、原則が2回接種なのは日本と同じですが、9歳以上の小児や、近年確実にインフルエンザにかかった方、毎年ワクチン接種をしている方は1回接種でも良いとしています。日本では、現在は、13歳未満の方は抗体の上昇をより確実とするため、2回接種となります。13歳以上の方は1回接種でも抗体上昇がみられるため、1回接種となっています。
これは考え方の問題で、WHOなどは接種した人のほとんどが抗体の上昇を認めるから1回の接種でよいですよ。という考え方、日本は、明らかに1回より2回接種のほうが抗体の上昇が100%に近くから2回接種ですよ。という考え方です。
日本小児科医会の東京都と神奈川県のグループ、慶応大学医学部小児科のグループなどがデーターを出していますが、1回接種より2回接種のほうが優位に抗体上昇を認めています。
日本は2回接種を認めていて2回接種することができる国なので、せっかくですから2回やっていただいた方が良いと私は考えておりますし、2回接種ができなくても1回だけでも接種していただくことをおすすめいたします。
子どものビデオゲーム、「やりすぎ」は何時間から?
ビデオゲームをすると、子どもの運動技能や反応時間、さらには成績も高まる可能性があるが、やりすぎは社会的・行動的な問題につながる可能性があるとの研究結果が報告されました。
本研究を実施したデル・マール病院(スペイン、バルセロナ)放射線科のJesus Pujol氏は、「7~11歳の子どもでは週1~9時間のゲームは安全と思われるが、9時間以上は勧められないと「Annals of Neurology」という医学雑誌から論文を発表しました。
今回の研究では、スペイン・バルセロナに住む親に、7~11歳の男女2,400人超のビデオゲームの習慣を報告してもらい、その結果、小児の約6分の5は週に1時間以上ゲームをする「ゲーマー」で、残りは「非ゲーマー」でした。どの年齢でも、ゲーマーは週に平均約4時間ゲームをし、男児は女児よりも週2時間近く多いという結果でした。
ゲーマーは非ゲーマーよりも反応時間が早く、小児260人の脳MRIによると、ゲームをすることは、大脳基底核の白質の変化と、学習と脳の回路との伝達の改善に関連していました。ただし、週2時間以上ゲームをする小児(主に女児)では、運動機能はわずかに改善したのみでした。
ゲーマーは成績も有意に高い結果でしたが、作業記憶や注意力は非ゲーマーよりも良いわけではありませんでした。ゲーム時間が長い小児ほど睡眠時間が少なく、ゲームに関連する技能向上は週8時間ほどで限界に達しはじめ、週9時間以上になると、他の小児との衝突など社会的行動の問題が生じる可能性が高胃という結果でした。
今年のインフルエンザの流行は早いかもしれない
沖縄県でインフルエンザが流行しています。那覇市や浦添市では、定点あたりの患者報告数が10人を超え、注意報を発令しているようです。全国的には大きな流行にはまだ至っていませんが、今季は例年よりも流行時期が早く、学年・学級閉鎖も増えつつあります。
国立感染症研究所によると、第41週(10月10日~16日)の患者報告数は、全国で1,158人。定点あたりの患者報告数は0.24人。都道府県別では、沖縄県の7.03人が突出しています。定点あたりの患者報告数が1を越えると流行となります。首都圏でも学級閉鎖が9月からみられます。
ここからは私論ですが、例年RSウイルス感染の流行が終わるとインフルエンザの流行が始まる傾向にあります。今年は、夏の終わりの早い時期からRSウイルス感染の流行がありますので、RSウイルス感染の流行が例年より早く終わることを考えても、インフルエンザの流行が早くからくることも予想できます。
ワクチンを早めに打った方が良いかもしれません。
初冠雪
生後6ヶ月までのインフルエンザ予防には妊婦のワクチン接種が有効
妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けた女性から生まれた乳児は非接種妊婦から出生の乳児に比べ、生後6カ月以内のインフルエンザ様症状発症のリスクが64%、インフルエンザの罹患リスクが70%、インフルエンザによる入院リスクが81%、有意に低下していたとの研究が報告されました。米国小児科学会の論文で紹介されています。
この論文では24万5386人の女性のインフルエンザワクチン接種状況、及びその乳児24万9387人のインフルエンザ様の症状の発症率などを比較しています。
また、インフルエンザと確定診断された乳児の97%は、母親が妊娠中にインフルエンザワクチンの接種を受けていませんでした。
研究グループは、今回の研究によりインフルエンザ接種推奨年齢に達しない生後6カ月未満の乳児をインフルエンザから守るため妊婦にワクチンを接種する公衆衛生面での意義を裏付けるエビデンスがさらに強化されたと話しています。