インフルエンザワクチンの有効率は接種6〜9カ月で45%へ低下する。
インフルエンザワクチンの有効率の継時的変化に関する論文が、世界的に有名な医学雑誌のLancet 11月号に発表されました。内容は、香港で2012-17年に38度以上の発熱と呼吸器症状で入院した生後6カ月から17歳の1万5695例を対象に、インフルエンザワクチン接種効果の経時変化を診断陰性ケースコントロール試験で検討しています。
結果は、1万5695例中、2500例がインフルエンザA型またはB型陽性、1万3195例が陰性で、陽性群の159例(6.4%)と陰性群の1445例(11.0%)がワクチンを接種していました。報告されたワクチン有効率は接種後0.5-2カ月以内で79%、2カ月超-4カ月以内で60%、4カ月超-6カ月以内で57%、6カ月超-9カ月以内で45%と推移していました。
つまり、ワクチンを接種して2ヶ月をすぎると予防効果が低下し始め、半年を過ぎると予防効果は5割以下になるということです。
最近のインフルエンザの流行時期は、年ごとにまちまちで、いつ接種するかを決めるのがますます難しくなります。
こどもの虫歯を防ごう。シュガーコントロールをご存知ですか?
糖分の摂取をコントロールすることで、虫歯菌の栄養になるものを少なくし、菌の繁殖を抑えることができます。口の環境を整えることで、虫歯になりにくい習慣を身につけましょう。具体的なコントロールの仕方は、次の[注意したいおやつ]の3項目を意識しましょう。
【注意したいおやつ】
①砂糖の量が多いもの
甘いおやつに気を使っていてもジュースを飲んでしまったら台無し…。ジュースにも砂糖が多く入っていますよ!水や麦茶など無糖の飲み物を選びましょう。
②口の中に長く留まりやすいもの
キャンディーなど長時間口の中に留まると虫歯発生率が高くなるそうです。それはおやつのダラダラ食いにもつながることです。決まった時間内におやつを食べましょう。
③歯にくっつきやすいものは避ける
キャラメルやスナック菓子など食べかすが残ると②と同様、口の中に留まりやすくなります。
子どもに甘いものはダメ!!と我慢させすぎるのもちょっとかわいそうですよね。無理なく出来るようでしたら実践していただきたいですが、逆にストレスが溜まってしまっても嫌ですね。1日〇個までなど親子でルールを決めてみるのもよいかもしれません。また、果物やさつま芋など自然な甘さのものを選ぶとよいでしょう。口溶けのよいヨーグルトなども◎。
上記の内容を意識しておやつを与えていただければ、少しでも虫歯の発生を抑えることができると思います。もちろん、食後の歯磨き、歯間ブラシやデンタルフロス(歯間用糸)などでの、仕上げ磨きがとっても大切!しっかりみてあげてくださいね!
「シュガーコントロール」を意識することで、食生活を見直すきっかけにもなると思います。出来るところから試してみてください。
効果が時間とともに弱まる百日咳ワクチン
4種混合ワクチンは、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオを対象としたワクチンです。定期接種の対象となっており、生後3カ月から始めて計4回接種します。
現在国内では、ジフテリアとポリオの患者は報告されていません。予防接種対策が功を奏している感染症といえるでしょう。
一方、百日咳ワクチンの効果は時間とともに弱まることから、ワクチン接種スケジュールの見直しも検討課題となっています。まずは百日咳の実態を把握すべく、2018年1月から5類感染症の全数把握疾患となり、全国の医療機関から報告を上げ、集計しています。この5月に初めて発表された患者集計の結果では、5歳未満が14%にとどまり、5歳以上15歳未満が52%、20歳以上の成人症例が34%でした。
学童期のお子さんであって、4種混合ワクチンを接種していても、1ヶ月以上続く咳嗽の際には、念頭に置く疾患になっていることがわかりました。
この問題を解決するには、現在、11歳から行われている2種混合(ジフテリアと破傷風の2つ)を諸外国のように3種混合(2種+百日ぜき)に変更する必要がありますが、まだ我が国では2種混合のままの接種が続いています。
子どもに本を読み聞かせることは、言語や脳の発達以外にも効果あり
寝る前に子どもに本を読み聞かせることは、子どもの言語や脳の発達を促すだけではなく、親と子ども双方の社会的なスキルや行動スキルにも良い影響を与えることが、香港大学社会福祉・社会行政学のQian-Wen Xie氏らによる研究から明らかになりました。この研究結果がアメリカの小児科学会誌「Pediatrics」に掲載されました。
これまでの研究で、親が子どもに本を読み聞かせることで子どもの言語や読み書きの能力が向上するなど、さまざまな効果が期待できることが明らかにされていますが、今回の研究で、親が子どもに本を読み聞かせることで、親子双方においてこうした心理社会的な能力が向上することも明らかになりました。
子どもに本を読み聞かせることで子どもが賢くなるだけでなく、子どもを幸せな気持ちにさせ、親子関係も良好になることが、証明されたことになります。
ちなみに幼児期に本を読み聞かせると子どもの脳の発達が促され、学童期の成績も向上することも最近の研究で示されています。
私も絵本は大好きです。クリニックの待合室の絵本は、私が読んでおもしろかった本ばかりです。どんどん本を読んであげましょう。
梅雨の「だるさ」を吹き飛ばす3つのポイント!
また、副交感神経が優位になって自律神経のバランスが崩れてしまうので、カラダがお休みモードになってしまい、だるさを感じやすくなります。雨が多く、湿度が高くなるのも、不快なキブンになってしまうワケでもあります。
【ポイント1 太陽の光を浴びよう】
セロトニンは太陽光に反応して分泌されます。晴れ間は少ない時期ですが、曇りの日でも外に出て散歩するだけでも効果があります。体内時計をリセットさせて、生活リズムを整えましょう。
【ポイント2 リズミカルな全身運動や呼吸、咀嚼運動が大切】
セロトニンは運動機能に関与し、咀嚼(そしゃく)、呼吸、歩行といった反復運動をスムーズに行うために働くため、一定のリズムをきざむ運動をすることが効果的とされます。
例えば、ジョギング、サイクリング、スクワット、階段の上り下りでも効果があります。日々の生活に取り入れ、気長に続けられるよう、無理せず、背負い込まずに、前向きな気持ちで取り組みましょう。
【ポイント3 トリプトファンを摂取しよう】
トリプトファンには、脳に運ばれるとセロトニンを生成する働きがあるため、トリプトファンを多く含む食品を摂取するとよいでしょう。トリプトファンは人の体内では作り出すことができないため、食事で摂取する必要があります。
トリプトファンはたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のひとつで、牛乳・チーズなどの乳製品、豆腐・納豆などの大豆製品、カツオ・マグロなどの魚類、アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類、白米などの穀類にも含まれています。
また、セロトニンはトリプトファンだけでなく、ビタミンB6やマグネシウム、ナイアシンからも合成されます。さまざまな食品が、セロトニンにかかわっていることがわかりますね!
以上をみてみると、「規則正しい生活」、「適度な運動」、「バランスの良い食事」、の大切さが分かると思います。日々の積み重ねが、わたしたちのカラダを作ります。すべて完璧にこなすことは大変なこととは思いますが、心がけた生活をコツコツ積み重ねていくことで、ココロもカラダも気持ちがよい、安定した暮らしを過ごしていきましょう!